屈辱的なシーズンは未来への布石? “タンキング”をもくろむ76ers
連敗記録に並ぶ屈辱的なシーズン
米国メジャースポーツの最長連敗記録に並ぶ26連敗を喫した76ers。NBAのドラフト制度を利用し、来季のチーム強化を図る 【写真:AP/アフロ】
シーズン残り1試合となった時点で、チーム成績は18勝63敗。特に1月30日以降は勝利に見放され、3月30日まで怒濤の26連敗を喫し、10−11シーズンのクリーブランド・キャバリアーズ(NBA)、1976−77シーズンのタンパベイ・バッカニアーズ(NFL)と並ぶ米国メジャースポーツの最長連敗記録に並んでしまった。
「今季の中で重要だったのは、選手、フランチャイズの両方がどれだけ将来につなげていけるか。私と他のコーチ陣は、常に前を向きながら、このリーグからのリスペクトを勝ち得るために戦い続けたつもりだよ」
就任1年目のブレット・ブラウンヘッドコーチも、シーズン途中からとにかく我慢を強調したコメントが多くなっていった。
低迷するチームを救うドラフト制度
低迷するチームにとって、再建のための手っ取り早い手段はドラフトでスター候補の新人を獲得すること。NBAのドラフトではロッタリー制度(くじびき)を採用しているが、勝率が悪いほど、上位指名権獲得の確率は高くなる。
特に今年のドラフトにはアンドリュー・ウィギンス、ジョエル・エンビード(ともにカンザス大)、ジャバリ・パーカー(デューク大)といった近年有数の逸材がそろいハイレベル。そんな背景から、今季の76ersは実は負け続けることによって、明るい未来により近づいていた。少なくとも、その可能性が高まっていたと考えることはできる。