快進撃を続けるボクシング一家の切り札=WBO王者ミゲール・ガルシア第2回
貴重な体験となった世界挑戦経験者からのダウン
34戦全勝(28KO)と破竹の快進撃を続けるミゲール・マイキー・ガルシア。ボクシング一家で育ち、着実に力をつけていった 【(C)NAOKI FUKUDA】
ガルシアはアマチュアで56戦46勝10敗の戦績を残し、2006年7月に19歳でプロ転向を果たした。父親エドゥアルド、12歳上の兄ロバート(元IBF世界S・フェザー級王者)の指導を受けたガルシアは、デビュー戦こそ判定勝ちだったが、以後は8連続KO勝ちをマーク。ひとつの判定勝ちを挟んで再び4連続KO勝ちと、着実に実力を伸ばしていった。
08年10月、ガルシアは世界挑戦の経験を持つベテラン・サウスポーのワルテル・エストラーダ(コロンビア)と対戦する。スピードを生かしたボクシングで着実に加点していったガルシアだが、4回に左を浴びてダウンを喫してしまう。その後のラウンドで立て直して判定勝ちを収めたものの、採点は77対74、76対75(2者)という際どいものだった。ガルシアにとっては苦く貴重な体験となったはずだ。
圧倒的な内容で奪取した世界王座も減量失敗で…
そして13年1月、ガルシアはオルランド・サリド(メキシコ)を下してWBO世界フェザー級王座につく。自身が負った鼻の傷で試合が8回で終わるという結果だったが、4度のダウンを奪うなど内容は一方的だった。
業界最大手のトップランク社と契約を交わしているガルシアは、初防衛戦で元王者ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)の挑戦を受ける。しかし、あろうことか試合直前に体調を崩して減量がままならず、なんと前日計量で2ポンド(約900グラム)の体重オーバーという大失敗を犯してしまった。1500万円もの罰金を払って臨んだ翌日の試合では4回TKO勝ちを収めたが、王座は手元に残らなかった。
3階級制覇狙うガンボアとの一戦がスターへの大関門
次戦は5月か6月に計画されているが、対戦候補として3階級制覇の実績を持つWBA世界ライト級暫定王者ユリオルキス・ガンボア(キューバ)の名前が挙がっている。トップスターの座に上り詰めるための大きな関門といえるだろう。未完の26歳の今後に要注目だ。
Written by ボクシングライター原功
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