逃げ宣言コパノ「1200mはベスト」=高松宮記念直前 宮徹師インタビュー

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阪急杯を完勝したコパノリチャード、高松宮記念でも天性のスピードを存分に活かしたい 【netkeiba.com】

 2月23日のフェブラリーS、最低人気のコパノリッキー(牡4=栗東・村山厩舎)が大金星。興奮冷めやらぬその翌週、またしても同じ黄色地・赤一本輪の勝負服が重賞で輝いた。その馬こそ、阪急杯を制したコパノリチャード(牡4=栗東・宮厩舎)。アーリントンC、スワンSに続き重賞3勝目。しかも、2着に4馬身差をつけての完勝だった。充実一途の同馬、勝機はいかに。手応えを宮徹調教師が語った。(取材・文:花岡貴子)

「前走と同じようなかんじで調整」

――初の1200メートル戦になります。これまで使わなかった理由は?

「意図的な理由はないですよ。はやくから行きたい気持ちはあったけど、これまではちょうどいいタイミングに大きいレースがなかったから。たまたまですよ。いつでも使えると思っていたし、3歳時はクラシックもありましたからね」

――1200m戦には適性があるとお考えですか?

「もちろん。皐月賞を過ぎた頃からそう考え始めましたね。でも、もう少し長い距離もいけるんじゃないか、という望みも持っていたから。マイルまでは対応できる馬に育てたかった。でも、1200mがベストだと思うよ」

――1200mを使うと1200mにしか対応できない馬になってしまうと思われましたか?

「いや、みんなよくそう言うけれど、決してそんなことはないと思う。ただ、長め(の距離)から(育てて)いったほうが、調教も競馬もやりやすいというのはあるね。
 一般的には1200mに対応するために瞬発力をより磨かなきゃいけない。でも、この馬はもともと競馬に気持ちが入るタイプの馬だから。無理に追い込む必要はないんだ」

――コパノリチャードは他の馬とは違い、1200m用の調教はしていない?

「ええ。ただ、この馬はもともと瞬発力は心配いらなかった。むしろ、気性は激しいほうだから。それをなだめつつ、ジワジワと調整しています。
 今回も1200mだからピリッとさせるということはしていませんね。今のところ、この馬には必要ないし、このくらいがちょうどいい。前走と同じようなかんじで調整しています。調教も負荷をかけてはいるけど、必要以上に追い込むようなことはせずに体調を整えるようにしています」

「うちはうちのスタイルで前に行く」

「うちのスタイルで行く」と宮師、小細工せず先行一本勝負だ 【netkeiba.com】

――最近、変わった点はありますか?

「相変わらず気は強いけどね、3歳時と比べるとだいぶ落ち着いてきましたね。あと、1回競馬を使っている分の上積みはあると思うよ」

――前走の阪急杯を振り返っていただけますか?

「とてもいい競馬でしたよね。いい枠(1枠1番)がもらえたし、ゲートもポンと出た。3コーナーくらいで『勝てる』と思ったし、直線は思った以上に突き放してくれたね」

――高松宮記念の最終追い切りはいかがでしたか?

「前に1600万条件の馬を置いて、2ハロンくらい辛抱してもらって、あとは手応えを見て、という内容。今朝の坂路は時計が出にくい状態だったけど、終いも含めて時計もよかったしね。いい追い切りだったと思うよ」

――今回は同型馬がいますね。

「結構行く馬がいますけど、うちはうちのスタイルで前に行きます。それがいちばん持ち味が出ると思う。デムーロ騎手にはハナに行くのがベストと伝えてあるけど、レースは生きものだからね。あとはペース次第で判断してくれるでしょう」

まだまだ強くなる。完成するのは来年

――枠順はいかがでしょうか?

「今の中京は内めが荒れていて、逃げ馬が内ラチ沿いを空けて走るのもあまり良くないから……。ただ、中京は1200mのレースを見ていると、捲ってきた馬の後ろの馬が外から差してくるという競馬が多いので、そういう競馬をする強い馬をしのげるかどうかですね。でも、逃げ馬だから、やはりできるだけ内枠が欲しいですね」

――週末は雨が予想されますが。

「それは心配していません。むしろ、パワーがあるから大丈夫でしょう。中京の1200mは特にパワーがいる馬場ですが、合っているんじゃないかな」

――最後にこの馬の将来性はどう考えていますか?

「まだまだ強くなると思いますよ。調教でも無理をさせていないからね。まだ伸びしろはある。完成するのは来年ごろじゃないかな」
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