ハーフナー「楽しくなってきている」=2ゴールを決めフィテッセも本来の姿へ

中田徹

マン・オブ・ザ・マッチの大活躍

2ゴールを決めマン・オブ・ザ・マッチに選出されたハーフナー。チームの状況にも手応えを感じている 【写真:PICS UNITED/アフロ】

 1日に行われたオランダ・エールディビジの第26節、ローダJC戦でフィテッセのハーフナー・マイクは2ゴールを決め、チームの3−0の勝利に貢献した。フィテッセは暫定2位。「まだまだ分からないので残り8試合、全部勝ちに行くつもりでやる」とハーフナーは優勝を諦めない。

 ハーフナーの1ゴール目は14分、FWクリスティアン・アツが上げた左サイドからのクロスに、ファーサイドへ走り込み頭で合わせた。これでフィテッセが先制に成功する。

「ちょっとアツが左で(ボールを持って)ごにょごにょしてたので、なかなか上がってこなかった(苦笑)。まさか右足で上げてくると思わなかったけど、すごく良いボールが来たので押し込むだけだった」

 2ゴール目は77分、MFデビ・プレッペルからのスルーパスをフリーで受け、GKフィリップ・クルトとの1対1を冷静にゴール右隅に流し込んだ。試合はこれで3−0となり、勝負がついた。

「やっとああいうシンプルなゴールが生まれた。遅いな。個人的にも1試合に2点というのは自信を取り戻すために必要だった」

 前半28分には、ハーフナーがゴール前に飛び込んだことから、相手DFロリ・ボネバチアのファールを誘い、退場に追い込んだ。ハットトリックこそ逃したものの、ハーフナーはこの試合でサポーターが投票によって選ぶマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。

久しぶりに感じるサッカーをする楽しみ

 2014年に入って以降、フィテッセは2勝2敗3分と波に乗ることができない。しかも第22節(2月4日)のAZ戦(0−2)から第24節(15日)のトゥエンテ戦(0−2)まで、フィテッセは3試合連続無得点に終わり、チームとしての道を失いかけていた。その間、ハーフナーは試合での存在感が乏しく、厳しい批判を浴びせられていた。

 第25節のRKCワールワイク戦も、重苦しい雰囲気で試合が進み、フィテッセは0−1のビハインドを負って前半を折り返した。しかし、フィテッセは50分、ハーフナーのボレーシュートで1−1に追いつくとシーズン前半の勢いを取り戻し、終ってみれば3−1で快勝した。

 RKC戦の後半に生まれた良い流れは今節のローダ戦につながり、フィテッセはやっと本来の姿を取り戻した。味方からのボールを引き出せなかったハーフナーにも、パスが集まるようになってきた。

「(低迷していた頃はチームのボール回しが)こねて戻して――というのが多かった。 やっぱり動き出してもボールが出てこなかったら『見えているのかな』という気持ちになる。今は簡単にボールを入れてくれるので、前線で動き出すやりがいがある。個人的には良いです」

 シーズン前半戦に感じていたサッカーをする楽しみ。ハーフナーはそれを久しぶりに感じている。

「良いチームに戻った。引いた相手でも点が獲れるようになっている。また、ちょっとずつ楽しくなってきていると思う。ビッグゲームで勝てたら、それこそ楽しいサッカーだと思う」

 これで今季通算8ゴール。上位チームのストライカーとしては、まだまだ物足りない数字だ。9ゴールを固め取りした昨季後半戦の再現を期待したい。

<了>
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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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