ザック「積み上げてきたものを再確認」=ニュージーランド戦メンバー発表会見

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自分たちのサッカーを出せれば差は感じない

ザックジャパンが国立で試合をするのは初めて 【スポーツナビ】

──残り少ない4カ月、国内での試合は2試合しかない中、もし相手との差があるとしたら、それをいかに詰めていくのか。勝ち点を挙げるために、どこをどう伸ばしていけば良いと考えているか?

 残念ながらインターナショナルマッチのカレンダーの関係で2試合しか組めないわけだが、W杯に向けた準備の中でこれまでフィジカルコンディションの話をしてきたが、当然それだけではない。(チームが)集まったときには対戦相手の対策を具体的に立てていかないといけないわけで、その意味では国内の2試合以外も試合を組みたいと考えている。その中でフィジカルコンディションがどの程度なのかを測ることも大切だし、(対戦相手の)対策も同時に進められればと思う。

 グループリーグの相手との差があるということだが、個人的にはむしろ差がないと感じている。それはもちろん、自分たちの選手を信頼しているのが理由だが、自分たちが最高のパフォーマンスを出せれば、どんなチームとも渡り合えると自負している。その中で暑熱対策であったり、移動での疲労であったり、そういった部分では細心の注意を払う必要があると感じているが、自分たちのサッカーを出せれば対戦国との差は感じていないというのが正直なところだ。

──岡崎は所属するマインツでワントップのポジションで活躍している。香川が試合に出ていなかったり、本田がチームにフィットしていない中、岡崎の使い方についてどう考えているか?(元川悦子/フリーランス)

 これまでも代表チームで、岡崎をワントップで起用したことがある。彼の良さはFWでありながら、ダイナミズムと運動量があり、チームでの貢献度が高く守備でも献身的に走ってくれるのがストロングポイントだと認識している。当然オプションとして、岡崎のセンターFWというのは頭に入っているが、私の記憶が正しければ、一度彼をセンターFWに使ったときに、皆さんから「なぜ岡崎がセンターFWなのか」と言われたことがあった(笑)。

──長谷部がまた帰国するという発表がニュルンベルクからあったが、いつまでに回復すればW杯に間に合うと考えているか。また、ニュージーランド戦のキャプテンは?

 キャプテンはまだ考えていない。優先事項からは外しているからだ。長谷部のコンディションについては詳細な情報を持っていないが、先日ニュルンベルクで直接会ったときには回復傾向でコンディションも上がってきているという話を本人からも聞いている。もし日本に戻っているというのなら、こちらで手術したこともあって現状のチェックをしているということだと思う。今回、呼ばなかったのは回復傾向にあるし、焦って呼んでも仕方がないと思ったからだ。ニュルンベルクで会ったときには、治療に専念すること、急ぐのではなくしっかり完治することを目指してほしいと伝えた。

W杯に向けて各自が高めてほしい

──ニュージーランド戦は「さよなら国立競技場」と銘打たれているが、このスタジアムに対する思い入れを教えてほしい

 私自身にとっては初めての国立でのゲームになる。日本サッカーの象徴のひとつと言える場所だし、個人的にはもう少し多く国立でゲームをやりたかった。3月5日は大きなイベントになるし、歴史的なゲームが繰り広げられた(場所)ということで、そこが一時的にクローズになるのは少し残念な気持ちではある。ただ、さらに素晴らしい競技場になると聞いているし、そこでさらにインターナショナルレベルの戦いが見られるというのも楽しみだ。あと数年経って、もしかしたら「国立で最後に試合をした代表監督はザッケローニだろう」ということで、皆さんも私の名前を思い出してくれるかもしれない。

──W杯まで残り試合が少ない中、選ばれなかった選手も含めて今後どのようなプレーを望みたいか?

 サッカーは競争がないと成り立たない。それは相手との争いという意味もあるし、チーム内のポジション争いという意味もある。この4カ月で、そうした競争がより活性化されることが好ましい。国内外問わず、しっかり視察してそれぞれの選手の状況を把握しながら観察してきた。すべての日本人選手に言いたいことは、これまで以上にトレーニングをして高めてほしいということだ。

 結果だけでなく、個人の成長も注意して見てきた。森重や柿谷や山口や大迫などがそうだ。ただ、それ以上に伸びしろのある選手たちだと感じているので、現状に満足せず、ここからW杯に向けて各自高めていってほしい。W杯に行けるメンバーというものは、誰もが約束されているわけではない。当然、個々の成長はなくてはならないと思っているし、W杯に出てくるメンツを見ても、順当に勝ち上がってきていると言えると思う。ここで自分たちが守りの姿勢に入るのはなく、個々の成長を促しながらチームとしても成長することが、W杯のあるべき姿だと思う。当然、より高い個のクオリティーを要求していくし、そこが伴ってくればチームとしてのクオリティーも同時に上がってくると考える。

<了>

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