ザック「積み上げてきたものを再確認」=ニュージーランド戦メンバー発表会見

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選手たちには激しい競争を期待

30歳でチェゼナティコ(当時セリエC2)の指揮を執ってから、監督生活30年が経過したザッケローニ 【スポーツナビ】

――W杯まで残り少ないが、今回のメンバーがメンバー選考をリードしていると考えて良いのか? 選ばれていないメンバーにはどんなアピールを期待したいか?

 今回の招集に関しては昨年末のシリーズからの延長という考えで選んだ。当然これ以降は選手たちの本当の競争を期待しているし、激しくなればいいなと思う。これまでも言ってきたが、W杯に行くメンバーというのはモチベーションが高く、チームの和を乱さずに、コンディションが最高の状態にある選手たちが行くべきだ。さらにW杯では暑さ対策、移動距離の問題もあるので、そういったものにも耐え得る本物のアスリートが行くべきだと考えている。コンフェデレーションズカップのときには、その前のW杯予選を戦い抜いたメンバーで戦った。ここからは本当のラストスパートが始まっていく。そのための激しい競争というのを選手たちには期待したい。W杯予選、コンフェデ杯以降に目を向けてみると5、6人の新しい選手がメンバーとして定着しつつあるのは皆さんが見ての通りだ。

――今回のメンバーに長谷部と内田がいないことへの不安は?

 当然、選手全員が健康な状態で監督として23人のメンバー選考に苦労する状況が最高だとは思っている。W杯までは本当に短く、準備が迫ってきている。ただ、イタリア語でも、「あることが起こってしまったらそこから何かが起こる」というのがある。今回のような状況に陥ってしまった後に、もしかしたら何か良い発見があるかもしれないと思っている。

――長谷部の代役は山口が第一候補だと思うが彼に期待することは何か?

 長谷部のポジションについて、山口は昨シーズン非常に良いパフォーマンスを見せてくれたというのはあるが、Jリーグが終わってからは彼のプレーを見ていないのでなんとも言えない。

――右サイドバック(SB)の現時点でのファーストチョイスは?

 右SBのチョイスについては今回のメンバーには駒野も入っていて、これまでの代表チームに非常に貢献してくれた、計算のできる良い選手だと思っている。ここで言いたいことは、選手選考にあたっては、これまでのパフォーマンスやキャリアだけを重視するわけではない。残り4カ月でいかに良いパフォーマンスを見せてくれるかであったり、いかに成長の証しを見せてくれるかというのが大切になってくると思う。

コロンビアが少し抜けている

――準備期間が短い中、暑熱対策を含め、どのようにフィジカルコンディションを上げていくつもりなのか?

 W杯に臨む上で、一番大切なのは最高のコンディションでブラジルに入ること。準備期間は細かいところにこだわりながら準備を進めていかなければならない。具体的にどうしていくのかだが、全体のコンディションを把握しながら、個々のコンディションを把握することに努める。全体のコンディションを上げていきながらも、個々に対応を行い、その時期に必要なトレーニングを行っていくことが大切だ。

――W杯のグループリーグで対戦する3カ国の中でどこが一番やりにくいか?

 グループリーグの相対的な意見になるが、まずコロンビアから。タレントが豊富で身体能力も非常に高いチームだと思っている。それだけではなく、クオリティーとプレーの精度やスピードというものを上手に兼ね合わせることができる能力を持っている良いチームだと思っている。

 コートジボワールに関しては、台風の目になる可能性を秘めたポテンシャルのあるチームだと感じている。プレーのクオリティーもさることながら、フィジカルも強いものを持っている。暑さに対しても慣れているだろう。好不調の波が激しい印象があるが、監督のサブリ・ラムシのことはよく知っている。細かいところまでこだわって、しっかりと詰めてくる監督であると思っている。しっかりと準備をしてチームを最高の状態に仕上げてくるだろう。
 ギリシャについてはプレー面で非常に嫌な相手だなという印象を持っている。特に相手の良さを消すサッカーをしてくるのがやりづらいと思う。彼らの戦いを見ると、精度の高いカウンターと団結力のある守備を見せていてやりづらいチームだと思った。

 グループリーグを相対的に見ると簡単ではないと思っているし、(力関係に)バランスのあるリーグになっているが、現時点ではコロンビアが少し抜けていると感じている。世界からも評価されているように、コロンビアは南米の新勢力だし、海外で活躍している選手も非常に多い。そういった事実から彼らは評価されているわけだが、個人的に付け加えたいのは、チームとしてベンチにいるメンバーも含めて実力があり、ベンチにいる選手の多くが試合の流れを変えることができる。その意味でコロンビアの監督は、試合の状況に応じて戦い方を変えたり、いろんなオプションを持てるような選手を手元に置いているのではないかと感じている。

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