羽生「胸に金メダル、誇らしい」=ソチ五輪日本選手団 帰国会見
羽生、五輪王者の肩書を背負って
日本フィギュアスケート男子に初の金メダルをもたらした羽生結弦 【スポーツナビ】
羽生 日本にこうやって最高の結果を持って帰れて本当にうれしいですし、本当に誇りに思うんですけれども、それよりもオリンピックというもののの注目度、関心の高さをあらためて記者会見を通して感じています。こういう関心の高い大会だからこそ、最高の評価を頂いて、見ている方々に何かを伝えられたのではないかと思います。
ただ、日本に帰ってきてやりたいことは何かと言われると、特にないですし、どちらかといえば早く練習して、世界選手権に向けて一生懸命頑やりたいなと思います。
――今大会は10代の選手から40代の選手まで幅広い世代の選手が活躍したが、そのことについては?
羽生 10代の中に僕も入れてすごくうれしいと思いました。自分自身まだ、金メダルを取れるとは思っていませんでしたし、まだまだ実力が足りないなと。特にフリーの演技でもあらためて実感したので、これからまたオリンピックチャンピオンとしてこの肩書をしっかりと背負っていけるくらい強い人になりたいと思います。
フィギュアスケートのさらなる育成・強化策は?
伊東総監督 羽生選手の金メダルを大変うれしく思いますし、羽生選手が金メダルを獲得したことによって、これから新しい世代がどんどんフィギュアスケートの道に入って行くと思っています。ものすごい貢献度だと思います。これからの選手の進退については、世界選手権の代表を兼ねていますので、世界選手権が終わってからでないと、われわれも分かりません。
強化対策については、今やっている強化システムをさらに充実する。また今一番足りないのが、スケート場がないこと。やりたくてもスケートができないところがたくさんありますので、これを機にさまざまな自治体を含めて、スケートリンクを作ることによってフィギュアスケートだけでなく、女子アイスホッケー、ショートトラックも、そしてそこからスピードスケートへと強化できると思います。その環境整備についても一つきっかけができるのではと思います。
橋本団長 今、総監督からもありましたが、私自身の仕事としては充実した環境を整えていくことだと思っています。スケート場はロング(スピードスケート)は別ですが、フィギュア、ショートトラック、アイスホッケーなどは同じ規格でできますので、それぞれの自治体と話しながら、相当な数で今スケートリンクを設置して頂いているところが増えています。その数によって今まで国内ではなかなか練習ができないと言われておりましたアイスダンスやペアも練習環境が整えられていけば、層の厚いものができていくのではないかなと思います。
ジュニアからシニアにかけての一貫指導システムですとか、コーチの安定など含めてこれからの強化はトータル的に非常に厳しいものがありますが、今回の競技を終えて何をすべきかはバンクーバーが終わった後よりも、見据えるものが明確に出てきました。今後、国との話し合いの中で2020年(東京五輪)もありますので、明確に着実に強化対策を進めていけるのではと思っております。また、そういった面からもサポートをお願いできればと思います。
――明確に、というのはリンクを増やすといったことですか?
橋本団長 それだけではないです。医科学的な観点ですとか、情報も含め、あるいは道具の開発、そして環境整備というのはトレーニング場所だけでなく、メンタル部分においても選手がチームジャパンとして個々の意識レベルを高くしていくか、強化を担当するコーチや監督が世界一でなければ世界の選手は育てることはできないと私は常日頃思っていますので、明確にランクアップしていかなければなりません。そして海外の情報を得ながら、選手を(海外に)行かせる方がいいのか、あるいは海外の優秀なコーチを招聘する方がいいのか、それは全ての競技においてまったく違った強化対策をしなくてはいけませんので、そのことをトータルとして考えるということです。
――台頭してきたロシアについては対抗できそうですか?
橋本団長 ロシアは自国開催のために、前回のバンクーバーの成績があまりよくなかったこともありまして、スタッフを一新して、強化に取り組んだその成果が今回ソチのオリンピックでは(現れて)、ロシアの力を見せていただきました。
そういう意味では今後、4年後、8年後、短期、中期、長期という強化対策ということになりますが、私はやはり4年後はお隣、韓国の平昌で行われますので、アクセス含めて非常に自国に近い。私としてはそこまで強化対策をやらせていただくかは別としまして、今作り上げているイメージとしては、4年後は自国開催のつもりで取り組んでいきたいと思っております。