「早めにマラソン挑戦を」変化する流れ=宮脇が東京マラソンで初陣
今大会、初マラソンに挑む22歳の宮脇。どんな走りを見せてくれるか 【写真は共同】
マラソンに抵抗感が少ない若手選手
一時は若い選手がマラソン挑戦を先延ばしにする傾向があったが、それが変わりつつある。昨年は宮脇と同学年の窪田忍(当時駒大3年)が一足先にマラソンに挑み、その1年前には出岐雄大(当時青山学院大4年、現中国電力)がびわ湖で初マラソン日本歴代10位の2時間10分02秒の記録を残す快走を見せている。
現在、箱根駅伝で優勝を狙うチームのエース格は1キロ2分50秒以上のペースで突っ込み、それを大きく落とすことなく20キロを走りきる。昨年、今年と2年連続で30キロのレースでも学生記録が更新され、ハーフマラソン以上の距離に適性を見せる選手も増えてきた。彼らからするとペースメーカーがいる中、30キロまで1キロ3分少々のペースで進むマラソンにもあまり抵抗感がない。「30キロからは苦しむだろうが、そこまでは何とかなりそうだ」と考えるのである。
高校から直接、実業団に進んだ選手でも同様だ。どのチームもマラソン練習のノウハウを持っており、レベルの高い先輩選手に交じって日々、練習している。大学以上にマラソンを明確な目標として定め、強化を進める事ができるのだ。今回の宮脇だけでなく、昨年は高校卒業後、入社5年目の新田良太郎(コニカミノルタ)がこの東京で初マラソンを踏んでいる。
中本、川内らがマラソンへの後押しを
事実、12年のロンドン五輪、13年のモスクワ世界選手権で中本健太郎(安川電機)が連続入賞を果たした。この事実が「世界で戦うならマラソン」という思いを抱かせる理由となっている。
また中本だけでなく、国内屈指の実力を持つ川内優輝(埼玉県庁)が早い段階からマラソンのキャリアを積み、現在の勝負強さと安定感を手にしている事も若い選手の背中をマラソンへと押しているようだ。