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渡部暁斗、反省点のないベストな試合
20年ぶりの銀メダルを荻原次晴が解説
渡部暁斗の銀メダルを荻原次晴が解説
渡部暁斗の銀メダルを荻原次晴が解説【写真は共同】

 ソチ冬季五輪のノルディック複合男子ノーマルヒル決勝が現地時間12日に行われ、渡部暁斗(北野建設)が銀メダルを獲得した。渡部は前半のジャンプで100.5m/130.5点の2位につけ、トップと6秒差で後半のクロスカントリーをスタート。4秒差及ばず逆転Vこそならなかったが、金メダルを獲得したエリック・フレンツェル(ドイツ)と最後まで接戦を演じた。


 五輪同種目での日本人のメダルは、1994年リレハンメル五輪で銀メダルを獲得した河野孝典以来20年ぶり2人目。この快挙について、1998年長野五輪に日本代表として出場した荻原次晴さんに聞いた。

ジャンプもクロスカントリーもベストの出来

 暁斗が銀メダルを取れた理由としては、まず前半のジャンプが完璧だったということですね。ソチに来てからのジャンプをずっと見てましたけども、今日のジャンプはその中でのベストジャンプでした。スキージャンプはメンタルが非常に影響するスポーツです。オリンピックの大舞台、いつもとは違う緊張感の中でベストジャンプが出たという部分に、暁斗のメンタルの強さを非常に感じました。


 今日の前半のジャンプの結果を見て、ドイツのエリック(フレンツェル)選手と、最後の最後まで一騎打ちになるだろうという予想はしていました。2人の金メダル争いになるだろうなと。後ろからも、クロスカントリーに強い選手がたくさん追いかけてきていましたので、とにかく2人がけん制しあうことなく、前へ前へ狙っていくような滑りをしなければならないなと考えていましたが、それができたと思います。最後の場面は、ああいう接戦になりますと、ワールドカップで今シーズンの世界ランクを独走中のエリック選手の強さが出たなという感じでした。暁斗はベストな走りをしたと思います。立派な健闘でしたね。ジャンプもクロスカントリーも、今日の試合はどこにも反省点がないと思いますね。

狭くて曲がりくねったコースも味方した

 ソチ五輪は幅が狭くて、カーブが多い特殊なコースですが、このコースの特徴も銀メダル獲得の味方をしてくれたと思います。後ろから走力のある選手が、終盤かなり追い上げましたよね。あれはコースが広かったら、もっと詰められていたか、もしかしたら追いつかれていたかと思います。暁斗の後ろの選手は集団で走ってましたけども、集団になって固まることによって、強い選手がなかなか前に出られないという状況が起こりました。彼らが前に出られたときには“時すでに遅し”という展開でした。

トップに立つにはやはりジャンプが重要

 ノルディック複合のルールは、われわれの選手時代から大きく変わり、前半のジャンプで大きな差は出ないようになりました。しかし、やはり今後世界で勝ち続けるためには、今日のように、前半のジャンプで好位置につけなければなりません。今後エリックに勝つためには、エリックよりもいいジャンプをしなければなりませんね。これからワールドカップなどの転戦がありますけども、前半のジャンプで1位につけるというのが、エリックに勝つための条件になります。


<了>

荻原次晴/Tsugiharu Ogiwara

1969年12月20日生まれ。98年長野五輪ノルディック複合日本代表。幼少の頃から双子の兄・健司とともにスキーを始め、94年からワールドカップに参戦。95年には世界選手権団体で優勝、ワールドカップ個人総合4位の成績を残した。98年長野五輪では個人6位、団体5位と入賞を果たす。長野五輪後に引退を表明し、現在はウインタースポーツ普及をライフワークとし、メディアや講演などで幅広く活動。また、ノルディックのツアーを自らプロデュースするほか、オリンピックデーランのアンバサダー、日本ノルディックフィットネス協会のアンバサダーとしても活動中。

構成:スポーツナビ

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