“豪腕”大和と“怪物”野杁が語る大一番=2.16WBC王座戦直前インタビュー
野杁「やっと成人を迎えました(笑)」
今年成人式を迎えたばかりの“怪物”野杁正明。大和戦を乗り越えて、日本人初のWBC世界王座を狙う 【(C)NJKF】
――大活躍だった昨年を振り返っていかがですか?
試合数もそこそここなして、本当は11月と12月にも試合があって、それが流れてしまって残念でしたけど、久保(優太)選手にリベンジもできたし、ベルトも取れて充実していました。いい1年だったと思います。
――昨年1年を通じて、こういうところがよくなったとご自身で実感されるところはありますか?
ムエタイルールでもKrushルールでもベルトを取れたのはすごく自信になったし、ここにきて安定してきたというか、ブレずに試合ができるようになったかなと思います。
――それでは昨年以前は試合中にブレるような場面もあったということでしょうか?
そうですね、やっぱり焦っちゃって試合中に自分のリズムを崩したりすることがちょっとあったんですけど、昨年からは少しずつ安定してきたかなと思います。
――それは試合数をこなして経験を積んできたことがいい影響をもたらしているのでしょうか?
はい、チャンピオンの選手たちとやるような機会が増えてきたので、それが自信にも経験にもなりました。
――昨年はGLORYの世界トーナメントでも決勝に進出しましたし、そこで敗れた久保選手にもリベンジを果たしました。自分が世界一だという自負があるのではないですか?
久保選手に勝てたのはすごく大きいことですけど、まだ僕が持っているのは日本のタイトルなので、やっぱり世界のタイトルを取ってから世界一だって言いたいです。
――すでに世界トップの活躍をしている野杁選手なので驚いたのですが、ようやく先日成人式だったんですね。
はい、やっと成人を迎えました(笑)。今回は大和哲也選手とやりますけど、もう日本のベルトはいいかなっていう感じで取れるものは取ったので、次はどんどん外国人選手とやって世界に挑戦していきたいです。
大和戦は乗り越えなきゃいけない勝負
もう対策はバッチリで、あとは仕上げをやるだけです。昔は体重が違っていましたけど、僕がWBCムエタイ日本のベルトを取っていつかチャンスが来るかなと思っていたんですけど、それが今回来たかっていう感じです。
――どんな風に大和選手を見てきましたか。
僕がアマチュア大会に出ていた時は大和選手がリングに上がって挨拶したり、手の届かない選手だったんですけど、それが試合をすることになって不思議な感覚はあります。でも乗り越えなきゃいけない勝負だと思っているので、ここで倒して、世界に挑戦していこうと思っています。
――世界を目指すという点ではまさに最終関門という感じがします。
哲也さんはずっとWBCを狙っていると言っていたので、WBCを取るのであればその哲也さんを倒さないと狙えないと思います。
――プロでは2回目となるムエタイルールについてはいかがですか?
前回は高橋(誠治)選手がそんなにヒジを打ってくる選手ではなかったので何とも言えないですけど、熱くならず普段通りにやればいいのかなと思ってます。そんなにやり辛さは感じませんでした。
――では、ルールの違いより熱くなったりしないよう自分をコントロールすることが大切だと。
そうですね、パンチをもらって熱くなって打ち合いへ行ってダウンを取られることが多かったので、それが去年でちょっとはなくなったかなと思います。やっぱり熱くなるとセコンドの声も聞こえなくなってしまうので。
――野杁選手自身はKrushルールでもムエタイルールでもそれほど違和感はないと。
まだヒジをバンバン出してくる相手とやってないので分からない部分はありますが、今回はたぶんヒジを出してくると思うので、そこをどう対処できるかがポイントになってくると思います。
――ケビン・ロス戦でも大和選手はヒジでの攻撃が目立っていましたが、そのヒジ対策はすでにできている?
もうバッチリできています。スタイル的には僕のスタイルがあるのでそれを変えず、対策も取り入れてやってます。
――野杁選手は今年は全勝で世界のベルトを取ると目標を掲げていました。その「世界」というのはGLORYですか、それともWBCムエタイのベルトですか?
チャンスがあればどのベルトでも、違う団体のベルトでもどんどん狙っていきたいです。
――それでは改めて決戦への意気込みと、今年の抱負をお願いします。
今回大和選手と同じ名古屋の2人が東京・後楽園ホールでやることになりましたけど、間違いなく盛り上がる試合になると思うので、瞬きせず、目を離さず注目して見てください。それで僕が倒して世界に挑戦して、日本人で初めてWBCムエタイ世界のベルトを取ろうと思っています。