錦織、快勝で3年連続16強 次は王者・ナダル戦=全豪オープンテニス

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錦織ストレート勝ち「体がもっている」

3年連続16強の錦織は、4回戦でナダルと激突 【Getty Images】

 全豪オープンテニス第6日は18日、男子シングルス3回戦が行われ、錦織圭(日清食品)が鮮やかなショットメイクでドナルド・ヤング(米国)に7−5、6−1、6−0で快勝、3年連続のベスト16進出を決めた。4回戦では第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。

 立ち上がりは錦織に硬さが見えた。果敢にネット攻撃を仕掛けるヤングに戸惑い、第2ゲームを早々にブレークされる嫌な立ち上がり。第3ゲームに2本のブレークポイントがあったが、ここを守られて、なかなか追いつけなかった。しかし、同じ米国育ちの同世代で、昨年の全米室内選手権ではストレート勝ちしている自信もあり、錦織は落ち着いていた。

 錦織は第9ゲームにバックハンドのウィナー2連発をきっかけにブレークポイントを握ると、ヤングがたまらずダブルフォールトしてブレークバック。そこから、錦織のショットが面白いように決まっていった。第11ゲームではパッシングショットを決め、絶妙のロブを上げて前に出てくるヤングをかわす。ラブゲームで連続ブレークに成功し、第1セットを7−5で奪った。こうなれば実力の差は歴然。第2、第3セットでヤングに与えたポイントは合わせて21ポイント(錦織は50)だけで、所要時間1時間47分のストレート勝ちだった。

「体がもっている感じです。腰などに痛みがない。(4回戦で戦う)ナダルはバックを攻めてくると思うので、後ろに下がらずベースライン前後でライジングを打っていきたい」

 ナダルとは過去5回対戦して5敗だが、体調がいいだけにチャンスはある。

奈良は粘るも3回戦敗退 日本女子姿消す

 女子シングルスでは、日本女子ナンバーワンに浮上した感のある奈良くるみ(大阪産業大)が3回戦に登場し、こちらは惜しい星を落とした。エレナ・ヤンコビッチ(セルビア)は世界ランク8位と格上だが、昨年の全米オープンでの初対戦で散々苦しめた相手。奈良の速いコートカバーからの揺さぶりが嫌でたまらないようだった。第1セットはブレーク合戦から、第6ゲームにヤンコビッチが先にサービスキープして4−2としたが、すかさず奈良も第7ゲームをラブゲームでキープ。続く第8ゲームに絶妙のドロップショットを決めて再びブレークしたが、第9ゲームの30−30から連続6ポイントを許して第1セットを落とした。

 先行されはしたが、速さと正確さを十分に見せつけた点では、奈良の戦術通りの展開。第2セット、第4ゲームを先に奈良がサービスブレークして5−2までリードした。フラストレーションのたまったヤンコビッチはファミリーボックスと激しいやり取りを続け、アンパイア(審判)に注意される場面もあったほど。ファイナルセットに持ち込めば、流れは完全に変わるところだったが、問題はここからだ。

 第9ゲームのサービスゲーム、30−30からそれまではなかったバックハンドのはっきりしたミスが2本続けて出てしまった。第10ゲームでセットポイントが1本あったが、勝負所でミスを引きずり、結局はそこから5ゲーム連取されて、6−4、7−5のストレートで敗れた。

「前回はいい試合をしたいという気持ち、今回は絶対に勝ちに行こうと思って臨んだ試合でした。焦ってミスが出ましたが、やはり自分からポイントを取りに行ったのは間違いではなかったと思う。自信になると思います」

 昨年の全米オープンでの敗戦と同じ結果ではあったが、2度目の接戦に手応えを感じたようだ。

 1回戦から3人の日本人選手と戦ったヤンコビッチは「みんなタイプが違う。奈良は速くボールが返ってきて、一球も力を抜けなかった」と胸をなでおろしていた。

 奈良は22歳。2月にはエースとしてフェドカップに臨み、春には大阪産業大を卒業し、新たな所属先も決まっているという。

<了>

(文:武田薫)
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