2014年ブレークする選手は誰だ?=セ・リーグ 期待の若手を一挙紹介
中日・濱田、若き日のMVP左腕とだぶる大器
藤浪、大谷に並び称された中日・濱田。台湾のウインターリーグでつかんだ投球スタイルを武器に、飛躍を目指す 【写真は共同】
ルーキーイヤーの昨季は2軍で20試合に登板。そして、計74四死球(故意四球1を含む)は他を寄せ付けないほどの断トツだった。このいわゆる“ノーコン”ぶりは、99年にセ・リーグMVPに輝いた野口茂樹の若き日とかぶる。野口は1軍で活躍するまで制球難に苦しんだが、克服してからはリーグを代表する投手へと登り詰めた。濱田も、持っている球が一級品であることは5回2安打無失点でファーム2勝目を挙げた試合で実証済み。当面の課題は制球力の向上となりそうだが、小さくまとまるのではなく荒々しさを武器としてほしい。飛躍へのカギとなりそうなのが、オフの間に参加した台湾のウインターリーグでつかんだケンカ投法――。左打者の内角に容赦なくシュートを投げ込む投球スタイルでブレークを目指す。
DeNA・小林、さらなる飛躍が予感される本格派右腕
プロ2年間は足踏み状態だったが、昨季は春先から1軍登板を重ねて安定感を披露。5月に先発登板、7月には中継ぎ登板からうれしいプロ初勝利をマークした。ファームでも9試合で2勝3敗ながら防御率2.54の安定感を示すと、迎えた1軍のシーズン最終戦では4回から2番手で登板し、2イニングを1安打無失点に抑えて2勝目をゲット。先発、中継ぎ、ロングリリーフをこなしながら最終的に1軍で自己最多の24試合に登板し、2勝1敗、防御率2.76という好成績を収めた。
オフにはベテラン・三浦大輔と自主トレをともに行い、プロとしての心得を新たにし、さらなる挑戦へ向けて闘志を燃やした。便利屋で終わるつもりはない。自慢のストレート、スライダーでチームを新たなステージへと導いて見せる。
ヤクルト・八木、高いポテンシャルを秘めた未完の大器
入団5年目の昨季は26試合に先発して5勝13敗、防御率4.44。セ・リーグで規定投球回数に達した17投手の中で、勝率、防御率ともにワーストの成績に終わった左腕だが、入団から2年間は故障のためにピッチングができずにランニングをするだけの日々を送り、ようやく12年に1軍で3試合に登板しただけの未完の大器にとっては充実した1年となった。13年にシーズンを通じてローテーションを守り通したことは大きな経験となったはずだ。
課題は本人も自覚する変化球の精度。昨季も切れ味鋭いストレートは通用することを実証していたが、変化球でストライクが取れずに直球を狙い打たれて失点を重ねるケースが目立った。カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークの精度を少しでも上げられれば、昨季の勝敗数をひっくり返した13勝5敗という成績を残すポテンシャルは十分に秘めている。
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