東京大賞典Vでも晴れない幸の悔しさ=JCDの借り、タルマエと来年ドバイで

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ホッコータルマエ(左)が東京大賞典を快勝、しかし鞍上・幸の胸中は…… 【スポーツナビ】

 ダート競馬の1年を締めくくる大一番、第59回GI東京大賞典が29日、東京・大井競馬場2000メートルを舞台に争われ、幸英明騎乗の1番人気ホッコータルマエ(牡4=栗東・西浦厩舎)が優勝。好位4番手追走から最後の直線、ワンダーアキュート(牡7=栗東・佐藤正厩舎)、ニホンピロアワーズ(牡6=栗東・大橋厩舎)を競り落とし、今年4つ目のGIタイトルを手に入れた。良馬場の勝ちタイムは2分6秒6。

 ホッコータルマエは今回の勝利で通算22戦11勝(うち地方8戦6勝)。重賞は8勝目、GIは2013年かしわ記念、帝王賞、JBCクラシックに続き4勝目。騎乗した幸は06年ブルーコンコルド以来となる東京大賞典2勝目、同馬を管理する西浦勝一調教師は同レース初勝利となった。

 なお、1馬身半差の2着には武豊騎乗の2番人気ワンダーアキュート、さらに2馬身半差の3着には酒井学騎乗の3番人気ニホンピロアワーズが入った。

ホッコータルマエ強し、だからこそ……

本当に強かった、だからこそ前走JCダート3着の悔しさがよみがえる 【スポーツナビ】

 レースは完ぺきだった。逃げるサトノプリンシパル、2番手ワンダーアキュート、3番手ニホンピロアワーズを見る形で、じっくりと脚をタメつつ追走。4コーナーでバテたサトノプリンシパルを避けた影響から、内の2頭に外へフラれる形でバランスを崩したが、そのアクシデントもモノともせず前を行くニホンピロアワーズ、そしてワンダーアキュートを順番に力でねじ伏せていった。

 ダート競馬界の2013年を締めくくるにふさわしいホッコータルマエの横綱相撲。それだけに、幸の心中は嬉しさよりも悔しさが駆け巡った。
「今日が本当に強かっただけに、前走のJCダートが悔やまれます。なおさら悔しいですね。悔いが残りすぎて馬に申し訳ない」
 1番人気で迎えた前走のジャパンカップダート。絶好の手応えで先頭に立ち押し切り態勢に入ったかと思われたが、抜け出して1頭になったことでホッコータルマエがソラを使ってしまい、ゴール前で後続に逆転の差しを許してしまった。
「本当に自分が未熟でした」

 そして、JCダートの4日前に亡くなったホッコータルマエの馬主、矢部幸一さんのためにもどうしても勝ちたかったJRA・GIだっただけに、幸の胸の中には前走の敗戦が大きな悔いとして残り続けている。
「オーナーは『あと何日だ?』ってJCダートをずっと指折り数えて楽しみにしていました。だから……」

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