田中理恵「納得のいく体操人生が送れた」=引退会見一問一答
「諦めない気持ちを残せた」
今後は母校・日本体育大の教員として、後進の指導にあたる 【スポーツナビ】
引退会見前に事前に家族に話しました。みんなから「お疲れさま」という言葉をいただいたので、私から「今までありがとうございました」という電話はしました。本当に……父と母がいなかったら田中3きょうだいもなく、活躍もできてなかったと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだ恩返しはできていませんが、いままで育ててもらった分、いろんなことで恩返しをしていかなきゃいけないなと思っています。
――これまでの競技人生を点数にすると?
90点です(笑)。(残りの10点は)もうちょっと五輪でミスのない良い演技ができれば良かったなと思います。
――体操をやめたいと思ったことは? あるならば、ここまで続けてこられた要因は?
高校のときはけがもあり、体操としっかり向き合えない3年間で、1番やめたい時期でもありました。でも、兄と弟が頑張っている中で私だけ結果を残せていない悔しさもありましたし、ちょうど高校3年生の悩んでいる時期に、日本体育大にスカウトしてもらいました。大学で1番強いこの大学に入学できたから、今の自分がいるのではないかと思います。
――持病の腰痛が引退の一因とも言われているが?
五輪の時期はいろんなところが痛かったのですが、休養させてもらって治ってきていますし、今は問題ないです。
――競技人生で後進に残せたものは?
私自身、世界大会でメダルを取ってはいませんが、25歳で五輪に出たことで、諦めない気持ちを子どもたちに残せたのではないかと思います。
「五輪の楽しさや素晴らしさを伝えたい」
教員として、体操の後輩にいろんな形でアドバイスができればと思います。また、今秋の世界選手権(アントワープ)では(テレビ放送の)ナビゲーターなどもやらせていただき、スポーツを広める仕事も楽しく、やりがいがあるなと思っています。何をやっていくかはこれから考えたいと思います。
――指導者として今後伝えたいことは?
1番は、体操を皆さんに好きでいてほしいという気持ちを伝えたいです。
――どういった選手を育てたいか?
自分の決めた目標に向かって最後まで諦めないで頑張れる選手や、体操を通じて人間性や人に感謝できる選手を育てたいです。
――今後やってみたい仕事は?
いろんなことをやってみたいですが、特には……。お声をかけていただいて考えようと思います。
――女優など演技の仕事に興味は?
“体操の田中理恵”を大切にしたいので、そういうことは考えていません。
――20年東京五輪の招致活動にも関わったが、今後、どういった形で東京五輪を盛り上げていきたいか?
小さい子たちも好きなので体操教室をするとか、五輪に出た選手だからこそ、五輪の楽しさや素晴らしさも子どもたちに伝えたいと思います。
<了>