カナロア有終連覇、史上最大の圧勝劇=合田直弘の香港国際競走 回顧

JRA-VAN

今季4度目、通算6度目のG1制覇

2着以下に5馬身差をつける圧勝を飾ったロードカナロア。このレースをもって引退し、来春から種牡馬入りする 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

[香港スプリント]

 このレース連覇を狙う我らがロードカナロア(牡5、父キングカメハメハ)が、オッズ1.8倍という圧倒的1番人気。昨シーズン最終戦の香港G3プレミアC(芝1400m)と今シーズン緒戦の香港G2プレミアボウル(芝1200m)を連勝した後、前走G2ジョッキークラブスプリント(芝1200m)2着のスターリングシティー(セン5、父ナディーム)が6.2倍の2番人気に推された。

 昨シーズンの香港G2スプリントC(芝1200m)勝ち馬リッチタペストリー(セン5、父ホーリーローマンエンペラー、63倍の10番人気)がハナを切ったこのレース。12番という外目の枠を引いたロードカナロアは、好スタートから徐々に内に潜り込みつつ6番手という好位を確保。4コーナー手前からジワっと進出して4番手で直線に向くと、残り250m付近で先頭へ。ここからはロードカナロアのまさに独壇場で、一完歩ごとに後続を引き離すと、最後は2着以下にレース史上最大となる5馬身差をつける圧勝。ファルヴェロン、サイレントウィットネス、セイクリッドキングダムに続く、レース史上4頭目の連覇を達成した。

 ロイヤルアスコットのG1キングズスタンドS(芝5F)を含め、この路線のG1を2勝している愛国(アイルランド)調教馬ソールパワー(セン6、父キラチー、77倍の11番人気)が、前半後方から追い込んで2着。2番人気のスターリングシティーは2着馬同様に後方から追い込むも、差し脚に切れがなく5着止まり。逃げたリッチタペストリーは6着だった。

 春のG1高松宮記念(芝1200m)とG1安田記念(芝1600m)、秋のG1スプリンターズS(芝1200m)に続き、今季4度目、通算6度目のG1制覇を果したロードカナロアは、このレースをもって現役を退き、来春から種牡馬入りする

トウケイヘイロー2着、残り50m逃げ切れず

トウケイヘイロー(左)は終盤まで馬群をリードしたが、アキードモフィード( 右)に残り50m付近で差し切られ、惜しくも2着となった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

[香港カップ]

 昨シーズン終盤、G1クイーンエリザベス2世C(芝2000m)とG1シンガポール航空国際C(芝2000m)を連覇した香港調教馬ミリタリーアタック(セン5、父オラトリオ)が2.7倍の1番人気に推された。

 注目されていた先行争いを制したのは、5番枠から好スタートを決めた日本代表馬トウケイヘイロー(牡4、父ゴールドヘイロー、16倍の6番人気)。鈴をつけに来る馬もおらず、単騎で馬群をリードした同馬が、半マイル=50秒49、6F=1分15秒76という緩いラップを刻みつつ直線へ。

 余力十分のトウケイヘイローが、残り200mを迎えてなお後続に2馬身近い差をつけていたが、そこから追い込んできたのが道中は5番手で競馬をしていたアキードモフィード(牡4、父ドバウィ、2.9倍の2番人気)。残り50m付近でトウケイヘイローをとらえると、最後は1馬身抜けて優勝を飾った。

 あわやという大健闘を見せたトウケイヘイローが2着を死守。そのトウケイヘイローから半馬身差の3着が、3つのG1を含めて重賞13勝という仏国の古豪シリュスデゼーグル(セン7、父イーヴントップ、6.5倍の3番人気)で、1番人気のミリタリーアタックは、前半後方から直線よく追い込んだものの、3着馬からハナ差の4着に終わっている。

 英国産馬のアキードモフィードは、愛国で競走馬としてデビュー。5戦して2勝したほか、G2ベレスフォードS(芝8F)2着、G1愛ダービー(芝12F)4着などの実績を残している。香港に移籍した昨シーズン、大きな期待に応える形で香港G1香港ダービー(芝2000m)を制覇。今季初戦の香港G3ナショナルデイC(芝1400m)9着、続く香港G2シャティントロフィー(芝1600m)7着の後、前走G2ジョッキークラブC(芝2000m)では2着に好走してここへ臨んでいた。

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