村田諒太がプロ2戦目で見せた収穫と課題=猛者が待つ世界の中量級で戦うために――
世界で戦うための試金石だった一戦
プロ2戦目の村田はくせクセ者だったピーターソンを8回TKOで仕留めた 【t.SAKUMA】
国内トップ、東洋太平洋王者の柴田明雄を相手にしながら、一方的な内容で終わらせたデビュー戦。「さすが金メダリスト」という強さを見せた村田だが、はたして強者が揃い、層の厚さを誇る世界ミドル級においてその強さはどれほどのものなのか。プロで13勝(8KO)1敗、30勝4敗を記録した(本人談)アマまでさかのぼってもダウンがないというクセ者、デイブ・ピーターソンを相手に試金石の一戦となった。
距離を維持するためのジャブの重要性
序盤の村田はジャブが使えず相手との距離が維持できなかった 【t.SAKUMA】
ディフェンスがアマ時代と変わらずブロッキングによった点も、「ジャブが出るまで特にそうだったので、左がなかったっていうのはすごいダメだったと思います」と反省。たしかに前へ出るもジャブがないため相手との距離を維持できず、クリンチされてしまう場面も少なくなかった。ピーターソンのパンチはガードで弾きさえすれば「効くっていうほどのものはなかった」と村田は言うが、「ただこれがもっとハードなパンチになったらどうなるんだろうっていう感じはしました」とやはり反省。
村田に強く感じさせたスタイルチェンジの必要
一夜明け会見では「世界レベルではまだまだ。ジャブの重要性を再認識した」と課題を挙げた 【スポーツナビ】
スタミナと最終回で倒し切る勝負強さという収穫、ジャブとディフェンス技術の不足という課題――その両方が見られた第2戦。金メダリストで世界チャンピオン、日本では誰も成し得ぬ夢へ向け周囲の期待は大きく、そして早い。だが、無名のピーターソンがパンチを受け流す妙技を持ち、最終回まで村田を手こずらせたように、ミドル級は怪物のような猛者が多く待つ世界。自身の課題を的確にとらえ、成長していく術に長ける村田だけに、周囲の早急な期待に駆られることなく、プロの世界でじっくり力を伸ばしていくのが得策だ。
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