“邪道”大仁田が元貴闘力の焼肉屋襲撃=4万5千円を踏み倒して出頭命令

小野 仁

12.12後楽園の対戦を強硬アピール

元関脇・貴闘力の鎌苅忠茂氏が経営する焼肉屋「焼肉ドラゴ」を襲撃。鎌苅氏不在をいいことに最高級の肉を食べて、4万5千円を踏み倒した 【小野仁】

“邪道”大仁田厚が元関脇・貴闘力に出頭命令――! プロレスデビューが噂される元貴闘力こと鎌苅忠茂氏が経営する焼肉店を大仁田らが荒らし、リアルジャパン・プロレス12.12後楽園ホールでの対戦を強硬にアピールした。

 大仁田はリアルジャパン9月大会に乱入し、リングサイドで観戦していた鎌苅氏を邪道軍の矢口壹琅らとともに集団で暴行。同団体の総帥・初代タイガーマスク(佐山聡)と親交を持つ鎌苅氏が「オレがシバいたる」と邪道退治を志願したのが事の発端だが、大仁田邪道軍の無法襲撃に重傷を負わされた同氏は怒りに燃えてプロレスデビューを決意、今月14日の記者会見では「大仁田をぶっ潰す」と報復を宣言した。

アポなし訪問も不在…「最高級の肉を持ってこい」

 リアルジャパンは27日、12.12後楽園の追加カードとして「大仁田&矢口vs.ウルティモ・ドラゴン&“X”」を発表。鎌苅氏のデビューが明示されなかったことに業を煮やした大仁田は28日夕刻、同氏が江東区清澄で営む「焼肉ドラゴ」を矢口と連れ立ってアポなしで“訪問”した。あいにく鎌苅氏は不在で12.12後楽園出場の意思を問いただせなかったが、行きがけの駄賃とばかりに店内中央のテーブルに陣取って「最高級の肉を持ってこい」と命じ、同店の従業員を前に言いたい放題に鎌苅氏の悪口を言いながら特上の焼肉を食い散らす邪道コンビだった。

 口々に「うまい!」「柔らかい!」を連発し、「貴闘力は嫌いだけど肉は好き」(大仁田)「肉に罪はない」(矢口)と、大満足の味に舌鼓を打ちつつ“口撃”も絶好調。挙げ句に「今日はマスコミ集めて半分宣伝みたいなもんだから、タイアップということで、お金を払うつもりはまったくない」と無銭飲食の“正当性”を堂々と説く大仁田は、力士時代の鎌苅氏の写真の横に“代金はこの男につけておく”と書かれた紙を取り出し、「親方(鎌苅氏)に伝えといてくれ、『後楽園で待ってるぞ』って」と、従業員づてに通告。矢口も「ウルティモ・ドラゴン&“焼肉ドラゴ”でいいじゃん!」と悪乗りする。

栄光の優勝写真と有刺鉄線バットを勝手に交換

 さらに店内に飾られた優勝記念の写真額(貴闘力は2000年3月場所に史上初の幕尻優勝を達成)に目を止めた大仁田は、「これ、もらって帰ろう」と壁から勝手に取り外し、「かわりにこれ置いてくから」と矢口が持参した有刺鉄線バットを押し付ける始末。鎌苅オーナーの留守をいいことに狼藉の限りを尽くした邪道コンビは、「じゃあ、これ(写真額)はもらっていくから。『取り返したければ、後楽園のリングで待ってるから』って伝えといて。宝物なんだろ?」(大仁田)「ごちそうさん!」(矢口)と言い残し、4万5000円という飲食代を一銭も支払わないばかりか、鎌苅氏の栄光をたたえる記念品まで奪って去った。

 店外に出た大仁田は悪びれもせず、「肉はうまかった。“ごっちゃん”になりました。オマエ(鎌苅氏)だって、現役の時(力士時代)にたいがい“ごっちゃん”になっただろうよ。オレたちから『ごっちゃん』と言われて、男・貴闘力が引いちゃいかんだろ。これは力道山から流れてる相撲とプロレスの関係上、“ごっちゃん”っていうのは筋が通ってるんだよ」と、日本プロレスの始祖・力道山まで引き合いに出して邪道節全開で力説。この暴挙に対して鎌苅氏はどのようなリアクションを示すのか――。いよいよ“待ったなし”となった。
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