世界の潮流をつくるドイツサッカー=ブンデス頂上決戦から見たプレミアとの差
世界中で放映された「ドイツ版クラシコ」
CL決勝の再現となったドルトムントとバイエルンの頂上決戦は世界中で放映された 【Bongarts/Getty Images】
先週末、ブンデスリーガはその最高潮を寿ぎ、また世界中もその目撃者となった。200以上の国で、「ドイツ版クラシコ」とも言うべきボルシア・ドルトムントとバイエルン・ミュンヘンの直接対決が放映されたのだ。5月25日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝の再現をテレビで楽しめなかったのは、FIFA(国際サッカー連盟)の加盟国の中では北朝鮮とパキスタンだけだったようだ。
ブンデスリーガの頂上決戦は、昨季3冠王者の3−0の勝利で幕を閉じた。専門家の一部は、試合前からこの結果を予想していた。ドルトムントはルカシュ・ピシュチェク、マッツ・フンメルス、ネベン・スボティッチ、マルセル・シュメルツァーという、ファーストチョイスのDF4人が、全員欠場していたからだ。
バイエルンのレベルの高さが際立つ
ドルトムントは今季のブンデスリーガ13節を終了した時点で、首位のバイエルンを2点ほど上回る32ゴールをあげ、リーグ最多得点を記録している。しかし、この数カ月間、改善が必要なポイントとされてきたのは、チャンスをものにする効率の悪さである。1つのゴールを生み出すにあたり、ドルトムントは非常の多くのチャンスを必要としているのだ。バイエルン戦では、特にマルコ・ロイスとヘンリク・ムヒタリアンのチャンスを逃す場面が目についた。
しかし、この試合ではフランク・リベリやバスティアン・シュバインシュタイガー、フンメルスやイルカイ・ギュンドアンといった傑出したスター選手が不在だったにもかかわらず、英国ではブンデスリーガのトップマッチのレベルの高さについて盛んに論じられている。そして、それはマリオ・ゲッツェやチアゴ・アルカンタラが先発ではなく、ジョーカーとして起用されるという、バイエルンのレベルの高さを語ることにもつながっている。
ゲッツェとチアゴ、この2人の交代選手は、グアルディオラの采配に、大きな意味をもたらした。アウエーのジグナルイドゥナ・パルク全体が敵に回る中、古巣相手に戦ったゲッツェは冷静さを失わず、素晴らしいシュートで先制点を決めた。チアゴは中盤からの見事なロングパスで、アリエン・ロッベンによるチーム2点目をアシストしている。