アジャ「私が負ける要素は一つもない」=仙女・後楽園大会直前 独占インタビュー

スポーツナビ

「新星VS重鎮」の試合前に何を思うか? 大会直後のアジャ・コングに直撃インタビュー 【スポーツナビ】

 仙台女子プロレスが10月17日(木)に2年ぶり2度目の後楽園ホール大会を開催。そのメーンには「超世代闘争【新星VS重鎮】シングルマッチ勝ち抜き戦8vs8」として、アジャ・コング、豊田真奈美らの“重鎮”レジェンドレスラーに対し、花月、世IV虎らの“新星”若手レスラーが1対1のシングルマッチによる勝ち抜き戦で“世代闘争”を行うことになる。

“重鎮”の筆頭であり、現在の女子プロレスで生けるレジェンドとして戦うアジャ・コング。長年のレスラー人生の中で後輩レスラーからの挑戦は数多くあったが、そのプレッシャーを退け、常に“今”を生きている。今回の世代闘争の発端となった花月から狙われながらも“倍返し”で挑戦を跳ね返し、まだまだ衰える隙を見せていない。

 スポーツナビでは10月6日のOZアカデミー新宿FACE大会終了直後のアジャ・コングに直撃取材。“新星”レスラーたちの戦いに何を思うか、インタビューを行った。

ブル中野らを超えて『対抗戦世代』の時代を創った

『対抗戦世代』が過ぎた後は、ずっと冬の時代が続くと話すアジャ 【スポーツナビ】

――10月17日、仙台女子プロレスの後楽園大会について伺います。今回、若手の選手たちが多数、挑戦する形になりましたが、アジャさんはどんなことを思いましたか?

アジャ 誰しもここに入ってきたからには上を目指すのは当たり前。これが正常の状況だと思う。

――今、この時期に挑戦してきたという点ではどうですか?

アジャ 花月に関していうと、昨年から『今年中に里村(明衣子)とアジャを倒す』と大口をたたいていた。だけど、それが果たせないまま、ここまで来ている。もう1年ぐらい、花月とは戦ってきているので、今になって、そこにほかが乗っかってきたのかなと。何か思うところがあって、同じ世代の子たちがまとまってきたのかなと思う。

――花月さんに関して言うと、重鎮選手は『引退してほしい』と話し、そして女子プロレスの『冬の時代』を創りたいと話しています。

アジャ 『冬の時代』を創るもなにも、冬のままですよ。極寒のまま。今の女子プロレス界は。言っちゃえば『対抗戦世代』、私たちのことですけど、一つの時代を築いたけれども、その後は1度も春は来てないでしょ?
 冬の時代を作るも何も……。今さら、そんなものを目指しても遅いんだよ。

――なるほど。アジャさんたち以降はずっと『冬の時代』が続いていると。

アジャ そういうのは『みんながいなくなってから初めてできるんです』っていう言い方を花月はしてますけど、私たち『対抗戦世代』が時代を作ったのって、上がいなくなったからじゃないですからね。

 今ほど(年齢が)離れた差はないですけど、現に私の時にはブル中野という選手がいましたよ。でも、私たちはブルさんを超えていって、自分たちの時代を作った。いなくなってから時代を作ったわけではない。

――ブルさんのような上の世代がいる中で、自分たちの時代を作り上げたってことですね。

アジャ そうです。ただ、今のやつらは私たちを超えることを目標にしているけど、超えていった後に、何をするのか? 何をしたいのか?
 前の時代の人たちが作ってきたものを超えて、さらに自分たちが納得するもので何を見せるかというところでしょ? そこからが大変なんだよと。そこが分かってないとダメ。それが重要なんだけどね。それが分からない限りは、何をしようと一緒だよ。

長与千種が動いたからって『だから何?』

「私は“今”を生きている」と、現役生活28年を過ぎても、いまだに衰えることはない 【スポーツナビ】

――では今回、花月さんは自分には足りない部分として『経験、キャリア』を挙げていました。それを補完するため長与千種さんを呼んでくるという話ですが?

アジャ 経験は自分でしなけりゃ話になりませんよ。そこで誰を連れてこようと関係ない。それは私自身も、自分で経験を重ねたからこそ、今の自分があるわけであって、誰か他人に教えてもらった経験というのは、経験値のひとつにはなるかも知れないけど、その人の経験がガラっと変わるわけではないし。はっきり言って、『だから何?』って思うんですよ。

――長与さん自身は女子プロレスから離れていて、今回5年ぶりに動いたということですが、そういう部分で意識するところはないですか?

アジャ 先日の新潟大会(9月28日、仙台女子)でも、チラッと姿を見かけたので来ていたことを思いっきり暴露しましたけど、だから何なの?って。
 結果として5年ぶりに動いたわけだけど、若手のやつらに誰が付いたから、誰がどうだからじゃなくって、一番重要なのは何なのかに気付かない限りは話にならない。

――その一番重要なところというのは?

アジャ それを伝えたってしょうがないでしょ? それが分からないやつらは、プロレスをやっている意味はないと思いますよ。
 もちろん、ここでその答えを話してもいいですよ。でも、その答えを知ったからといって、それがお前らの答えに何ができるのかと。

 少なくとも、私は今でもやっている。いつも言っているように私は“今”を生きている人間。だから、今をどうすべきかを考えているわけだし。
 そういうことを踏まえていけば、引退がどうのとか他人から言われるような安い人生は送ってないですよ。現役として28年間、そんな安いプロレス人生は送ってないですから。それに、これからも歩む気はない。だからお前らにどうこう言われたからって、私は一切、揺るがない。

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