異次元トレヴ 早くも来年凱旋門1番人気に=合田直弘の凱旋門賞 回顧

JRA-VAN

全ての流れが「日本馬初V」に傾きつつあったが……

2年連続2着に敗れたオルフェーヴル、日本馬初の凱旋門賞制覇はまたも夢と消えた 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 前哨戦をいずれも内容の濃い競馬で勝利を収めたオルフェーヴル(牡5)とキズナ(牡3)は、その後も順調に調教を消化し、万全の仕上げで本番当日を迎えることができた。枠順もオルフェーヴル8番枠、キズナ11番枠と、ともに希望をしていた「真ん中辺り」となり、渋り気味ではあったものの馬場も極端に重い状態とはならなかった。さらにレース前日、最大のライバルと目された独国調教馬ノヴェリスト(牡4)に熱発のアクシデントがあって出走を回避。スタート前は、まさに全ての流れが「日本馬初優勝」に傾きつつあるように見えた。

 だが残念ながら、勝利の神様は今年も日本馬に微笑みかけてはくれなかった。

追撃及ばなかったオルフェ、キズナ

キズナは4着、最後はトレヴに突き放されてしまった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 勝ったのは、地元仏国調教馬のトレヴ(牝3)。15番枠という外目からの発走から、前半は馬群後方の外目に付ける展開となり、フォルスストレートから追撃を開始。直線に向くと1頭だけ次元の違う末脚を発揮して、最後は後続に5馬身差をつける圧勝となった。

 中団やや後ろ目からの競馬となったオルフェーヴルは、レースが動いたフォルスストレートで馬群に包まれる不運があり、直線で良く追い込んだものの前年に続く2着に惜敗。前半後方待機から、トレヴと同じタイミングで動いたキズナも、末脚に勝ち馬ほどの爆発力がなく4着に終わっている。

1歳秋の市場では買い手がつかず

トレヴは早くも来年の凱旋門賞前売り1番人気となっている 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 トレヴは、仏国の名門ケネイ牧場の生産馬。1歳秋の市場に出たものの買い手がつかず、生産者の所有馬としてデビュー。無敗の3連勝でG1仏オークスを制した後、カタールの王族シェイク・ジョアンが獲得し、前走のG1ヴェルメイユ賞からシェイク・ジョアンの所有馬として出走していた。

 これでデビューからの戦績を5戦5勝とした同馬を、英国の大手ブックメーカー各社は早くも、来年の凱旋門賞へ向けた前売りでオッズ3〜5倍の圧倒的1番人気に支持している。
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