フジメグ、引退戦で無念のドクターストップ…=宇野薫が1本勝ち! 所英男は惜敗=VTJ

長谷川亮

対戦相手の指が藤井の目に入ってしまうアクシデント

引退戦は無念のドクターストップとなった藤井だが、試合終了後は対戦相手のアギラーと笑顔で記念撮影 【t.SAKUMA】

「VTJ 3rd」が5日、東京・大田区総合体育館で開催された。

 メーンイベントは女子総合格闘技の第一人者、フジメグこと藤井恵の引退試合。女子MMAファイターとしてパウンド・フォー・パウンドに選出されたこともある藤井が、昨年5月に判定で敗れたジェシカ・アギラーを相手にファイナルマッチを行った。
 最終試合でリベンジを達成せんと気迫をみなぎらせる藤井は積極的に左ストレートを飛ばしていくが、これをアギラーが手で払おうとしたところ、指が藤井の目に入ってしまうアクシデントが発生。インターバルとドクターチェックの後試合は再開されるが、再び同じようにアギラーの指が藤井の目に入ってしまう。
 2度目のインターバルは長く取られ、ドクターチェックも長引いたため試合中止かとも思われたが、ドクターの処置と藤井の強い希望もあり試合再開。
 右目を視界不良となりながら、前に出てストレート、前蹴りを繰り出し奮闘した藤井だったが、アギラーのパンチでさらに目が腫れてしまったか、「目の結膜が外傷性で傷んでいて、眼球運動ができておらず、右目が追い掛けられない。ヴィジョンがない状態なので、これ以上続けさせることができません」という判断から2R終了時点でドクターストップ。
 戦い切れず無念の最終試合となった藤井だが、アギラーの謝罪を受け入れともに笑顔で写真に納まると、引退セレモニーへ。関係者や両親から花束を贈られ、謝辞を述べると、今後も格闘技に関わっていくことを挨拶の最後に述べ、10カウントゴングに送られ現役生活を締めくくった。

宇野は3度目のUFC挑戦を宣言

ダニエル・ロメロの強打をしのいで、1本勝ちを収めた宇野薫 【t.SAKUMA】

 その他、セミファイナルでは宇野薫が高谷裕之を1RKOに沈めたダニエル・ロメロの強打をしのいで2Rにアームロックで一本勝ち。そして、リング上で「僕の中での目標は3回目のUFCに上がることです。この挑戦を、(リングに)上がるまでは辞められないです」と3度目のUFC挑戦をファンの前で高らかに宣言した。宇野は大会MVPを受賞して賞金100万円も獲得している。

 VTJ2連勝と好調の所英男はLFCフライ級王者のウィル・カンプザーノと対戦。タックルからのテイクダウンを決めるも後一歩関節を極めきれず、打撃で上回ったカンプザーノの前に判定1−2で惜しくも敗れた。また、第7試合前に、10月20日にUFC166に初出場し、ダスティン・ペイグと対戦する堀口恭司がリングに上がり、「日本人強いんだぞっていう気持ちで戦ってきたいと思います」とあいさつした。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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