船木&初代タイガー初タッグに潜む“運命”とは?=リアルジャパン

リアルジャパンプロレス

シャークとスーパーは“名勝負数え歌”を越えられるか

スーパーとシャークは“名勝負数え歌”を超えるインパクトを残すことができるか 【リアルジャパンプロレス】

 メーンイベントが『現在進行形のストロングスタイル』を見せるとするなら、セミファイナルは『未来のストロングスタイル』を表す試合になるだろう。藤AKIRAと船木は新日本時代の同期波辰爾&タイガー・シャークvs.長州力&スーパー・タイガーの一戦は、メーンに負けないほどの意味を持つ試合だ。

 これまで数々の『名勝負数え歌』を重ねてきた藤波と長州が対峙すれば、自然とそちらに注目が集まるが、そこに、シャークとスーパーが加わることで大きな変化が起きる。

 これまでの2人は、リアルジャパンマットでもそれぞれ別の戦いを繰り広げてきた。シャークはジュニア戦線で、スーパーはレジェンドチャンピオンシップ戦線で戦っており、交錯することはなかった。しかし、8月25日に西調布格闘技アリーナで開催された『BREAVE HEART.2』でタッグマッチながら久々に激突。激しい蹴り合いを展開し、改めてこの2人は“ライバル”であることを知らしめた。

 その流れを受けて、今度はリアルジャパン本戦でも対戦することに。この一戦はシャークとスーパーの「ライバル闘争」であるのと同時に、藤波vs.長州という「“名勝負数え歌”との戦い」でもある。ベテラン2人の攻防は一瞬にして観客の視線を集中させ、場内のムードを一変させるほどのパワーを生み出すが、それに負けない戦いをシャークとスーパーが披露することができるのか? これがこの試合が持つ大きなテーマと言えるだろう。もしそれを成し遂げることができれば、『未来のストロングスタイル』が見えてくるはず。そして、初代タイガーの後継者を巡る“真のライバル関係”がスタートすることになるはずだ。

関本&岡林組と若翔洋による肉弾戦に期待

 第4試合のアレクサンダー大塚&若翔洋vs関本大介&岡林裕二も、濃厚な『ストロングスタイル』を見せてくれる試合だろう。

 関本&岡林は2011年プロレス大賞最優秀タッグチームを受賞。アジアタッグ王座を2度戴冠し、今や日本代表するタッグチームと言っても過言ではないだろう。特筆すべきは個々の実力もハイレベルだということ。関本は言わずもがなだが、岡林もメキメキと力を付けている。

 だが、ここはリアルジャパンのリングだ。元レジェンドチャンピオンシップ王者のアレクは、関本組においしいところを取らせるつもりはさらさらないだろう。このマットで身をもってストロングスタイルとは何たるかを体現してきた意地もある。パートナーの若翔洋も、少しずつこのリングに順応してきており、大相撲で培われたパワーは関本たちを凌駕する。アレクのテクニックと若翔洋の爆発力がガッチリとかみ合えば最強の力が発揮されるであろう。今大会随一の肉弾戦が期待できそうだ。

 第3試合はジュニアヘビー級の好カード。ウルティモ・ドラゴンとMAZADAがシングルマッチで対戦する。業界内外から高い評価を受ける2人は、ルチャというしっかりとした下地があり、ハイスピードの好勝負が期待できそうだ。

 そんな試合が『ストロングスタイル』を掲げるリアルジャパンで実現するのも興味深い点。ワールドワイドな活躍を見せるウルティモが、普段はなかなか見せない“別の顔”を見せてくれるかもしれない。近年はヒールファイトが目立つMAZADAも、もともとは藤波が立ち上げた『無我』出身。こちらも最近はあまり見せない“引き出し”を開けてくる可能性がある。実力者同士の対戦は『ルチャ流のストロングスタイル』をファンに披露してくれるはずだ。

 第2試合はグラン浜田&青柳政司vs.折原昌夫&ベアー福田のタッグマッチ。青柳はリアルジャパン初参戦となる。

 92〜93年頃に勃発していたWAR対反選手会同盟(平成維震軍)の抗争の中で、折原と青柳はたびたび対戦。92年9月15日のWAR横浜アリーナ大会ではシングルマッチで激突し、青柳が蹴り技で圧倒して、場外リングアウトで勝利している。危険な再会を果たす青柳と折原。試合巧者の浜田と福田も加わることで、さらに激しい戦いとなりそうだ。

 第1試合はスーパー・ライダー&間下隼人vs.河上隆一&橋本和樹のタッグマッチ。河上と橋本は大日本プロレス所属選手で今回がリアルジャパン初参戦となる。間下が「同世代の選手と戦いたい」とアピールしたことで実現した試合だ。

 河上はストロングBJの注目株。関本や岡林に引けを取らないパワーを持ち、急浮上している。橋本もアニマル浜口ジム出身だけに、リアルジャパンにもキッチリ順応しそうだ。だが、キャリアでは間下の方が上。ましてやライダーがパートナーを務めるだけに、敗北は許されない。実力者がひしめくリアルジャパンマットでは、どうしても「間下=若手」という印象は消せないが、団体対抗戦で勝利し、“強さ”をリアルジャパンのファンに見せつけてほしいところだ。

 好カード6試合が並ぶ9.28後楽園ホール大会。暑い夏が過ぎ去っても、リアルジャパンのリングはこれまで以上にさらに熱く燃えさかる!

(構成・文:村上謙三久)

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