柏の「ACL4強」を支えた2つの勝因=“仮想“アルシャバブと選手の適応力
厳しいサウジアラビアの環境に適応した選手たち
準決勝進出を決め、喜ぶ工藤(中央)ら。日本勢として、5年振りの優勝が現実味を帯びてきた 【写真は共同】
初の中東遠征となる今回、選手たちはまず時差の対応を考え、夜の練習時間までホテルでは各自部屋で過ごさず、できるだけ複数人で行動を共にしていた。そして、ストレッチや散歩など体を動かしながら、時差解消に努めたのである。あるいは乾きの対策として、練習2日目にはガムをかみ始め、「暑いが汗をかかない」(工藤)という日本にはない環境に対応しようとした。一見、何気ないことのようにも思えるが、大谷は「選手ができることは、どんなに細かいことでも全てやる。そういう準備は絶対に怠らない」と、事前準備の重要性を強調している。
準決勝の相手は広州恒大と決まったが
灼熱のサウジアラビで「アルシャバブ優位」と言われていた下馬評を覆し、アウエー全勝こそ止まったものの、限りなく勝利に等しい引き分けを手にした柏は、次のステージに進むこととなった。準決勝では、広州恒大というさらなる強大な敵が待ち受けており、大苦戦は免れない。だが同時に“アジアの頂点”を視界にとらえ、5年振りの日本勢優勝にも現実味が帯びてきた。
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