新生バイエルンの危うさを憂うザマーSD=グアルディオラに突き付けられた警告
新ポジションでのラームの働きを評価するペップだが
ラームは今季、中盤で舵取り役を担う 【Getty Images】
グアルディオラは、予想されていた以上に工夫をこらしてきた。その中でも前向きな結果を出しているということは、特筆すべき点ではある。だが「ドルトムントが昨季、すべてを失った時のような、シーズンの最も大事な時期にわれわれはいる」とザマーは語る。バイエルンは不安定さと相まって、スペイン人指揮官のサッカー観に完全に沿うようなパフォーマンスはできていない。それでもチームは、この「学習の時期」において結果を出し続けている。開幕前に予想されたような、若手に対するペップの固執もなく、エムレ・カンもレバークーゼンに修行に出されることとなった。
グアルディオラはハインケス以上に、攻撃的なプレーを求める。そのため多くの選手には新たなタスクが課された。最も注目すべき変更点は、安定感があった4−2−3−1から、中盤にコントローラーを1人しか置かない4−1−4−1へとフォーメーションを変えたことである。このことは何週間も、話題の中心であり続けてきた。
バスティアン・シュバインシュタイガーもハビ・マルティネスも、負傷によりこの操縦者のポジションでメーンを張るには至っておらず、フィリップ・ラームがその役目を務めている。メディアとの第1ラウンドでグアルディオラは、すでに彼のチームのキャプテンが最終ラインの前でプレーする姿を思い浮かべることができると話していた。この42歳の指揮官は、共に数週間にわたって仕事をしたラームについて「これまで指導した中で最も賢い選手」と評した。アンドレス・イニエスタやシャビ、リオネル・メッシは、どんな思いでこの言葉を聞いたことだろうか。
マイペースのバイエルンに点滅する危険サイン
バイエルンは欧州でも最高の中盤を擁するが、グアルディオラはすでに刺激を与える必要性を感じている。フライブルク戦では思い切ったローテーションを施すと、馴染みの顔はピッチ上にいたものの、初めて勝ち点を落とすことにつながった(1−1)。おかげでバイエルンは、マリオ・ゲッツェを失ったものの、他を圧倒し続けるドルトムントを2ポイント差で追うこととなっている。シーズンを自分のペースで走っていれば、決して良いわけではないとの危険サインが、早くも示されることとなったのだ。
これは、ルイス・グスタボのボルフスブルク売却や、アナトリー・ティモシュクを手放したことへの罰なのだろうか? 両者はこの数年、「背番号6」のポジションで信じられないほど信頼感の高いバックアップであり続けてきた。幸いマルティネスとシュバインシュタイガーは回復の途上にあり、この2人が今後、回答を示してくれることだろう。
バイエルンはリーグ戦での無敗記録を30試合へと伸ばしているが、指揮官同様に謙虚な姿勢を崩さない。グアルディオラには同情の声も寄せられているが、数週間前にウェンブリーで勝者となっていなかったならば、彼のサッカーはそうした評判を得られなかったかもしれない。指揮官の言葉は人間性に満ち、スター選手たちは学ぶべきことと、こなすべきタスクがまだたくさんあると話す。それでもザマーは、バイエルンは正しいメンタリティーをすぐに取り戻すべきだと警告する。それが何より、グアルディオラの助けとなることを信じて。