競歩・西塔拓己「持ち味を生かしたレースを」=世界陸上6位入賞インタビュー
“強豪国”ロシアで戦った経験を生かす
厳しい暑さの中、積極的な歩きを見せた西塔。競歩の強豪国・ロシアで戦った経験は大きいようだ 【写真は共同】
予想以上に暑かったと(笑)。それがモスクワに来てからの一番の印象でした。ただ、海外のレースをしてきた中では一番歩きやすいコースだったなと思います。
――どのあたりが歩きやすかったのでしょうか?
ほとんど高低差もなかったですし、路面状況もほとんどでこぼこしてなかったです。選手としてはかなり歩きやすかった印象です。
――もう少し条件が良かったら、自己ベスト(1時間20分05秒)も日本新(1時間18分34秒)も狙えるようなコースでしたか?
そうですね。自己ベストに近いタイムは出せたなと思います。
――ロシアといえば競歩の強豪国ですが、そのロシアで戦えたというのは?
ある意味、敵地に訪れて、自分の中ではロシア選手に負けたくないとは思っていました。最終的には2人に負けてしまい悔しいのですが、やっぱり強い国の中でレースができたのはこれからの経験としても生かせると思っています。
「自分自身が楽しめるレースをしたい」
目標としては16年のリオデジャネイロ五輪、15年には北京で世界選手権もあるので、やはりそこでもう一度勝負ができるように、もう一度自分自身を鍛えていきたいと思っています。まずは今回やったレースを誇りに思い、世界選手権入賞者として、これから先も取り組んでいきたいです。今後は、順位とか記録とかよりも、自分の芯を持った、持ち味を出し切って自分で納得するレースができるように追求していきたいです。
――日本に戻ってからは大学での練習になりますが、その先の強化を考えた時、海外や実業団で自分を育てていきたいというビジョンはありますか?
今と変わらず、のびのびとやっていきたいです。
――海外でレース経験を積みたいという気持ちはありますか?
そこまで海外にはこだわらないですが、ときどき、自分の実力を試してみたいです。
――西塔選手は昨年のロンドン五輪と今回のモスクワと続けて出場しましたが、五輪と世界選手権で違いはありましたか?
そうですね、大会の雰囲気がまったく違いました。一つは、歓声が違いますよね。ロンドンは歩いていても歓声がすごかった。耳鳴りがするくらいでした。本当に五輪は特別な舞台で、世界選手権とは特別感が違うなと。
――そうなると一番の目標はリオでのメダルでしょうか?
いや、特にまだ決めてなくて、まずは自分の芯を持った、自分の持ち味を生かしたレースをしっかりやっていきたいです。自分自身が楽しめるレースを今後もしていきたいですね。
――日本に戻ったら何をしたいですか?
とりあえずは休みたいかなと。でも、大学の追試とかもあるので勉強しないと(笑)
――休みが取れたらどこか行きたいところはありますか?
当分の間、海外はいいかなって思っています。まずは地元の広島に帰りたいですね。ただ、(東洋大の酒井俊幸)監督からは、『今年、帰省はないと思っておけよ』と言われているので、残念ながら大学に残ります。(秋には)日本インカレや国体もありますので、練習する予定です。
――次の目標は日本インカレになりますか?
そうですね、やはり1つの目標は日本インカレとなります。
――良い結果を期待しています。お疲れのところありがとうございました
<了>
(取材・尾柴広紀/スポーツナビ)