調教師に聞いたダークファンタジーなど2歳馬近況情報=POGの達人コーナー

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ダークファンタジー、スペースクルーズの近況を明かす藤沢和師。最近の2歳馬全般についても話しくれた 【netkeiba.com】

 仮想馬主となって現実の競馬を楽しむゲーム「POG(ペーパーオーナーゲーム)」。主に2歳馬デビューから翌年の日本ダービーまでの間、選択した競走馬の着順・獲得賞金などをポイントに置き換え、馬主気分で持ち馬の成績を競うゲームである。そのPOGを世に広めた“達人”こと、競馬評論家の須田鷹雄氏が2歳馬の最新情報をお届け。2014年の日本ダービーを目指す若駒たちの動向に注目したい。

藤沢和師が感じる最近の傾向

 私はもともとコメントを取るタイプでないので、2歳馬の近況情報というのは正直苦手。競馬場で会った人からネタを拾うにしても、今はレギュラーもないのでローカルの競馬場に通ってもいない。

 せめて競馬場に来ているときにはネタを拾わねば……と函館でキョロキョロしていたら、新馬戦のパドックに藤沢和雄師の姿が。

 ちょうど気になっていたダークファンタジー(母マジカルファンタジー)について聞いてみたところ、大きい馬だし早い時期向きというわけではないので戻したが、そのまま順調とのこと。秋の東京あたりに照準を合わせられれば、とのお話しだった。

 お話をうかがったタイミングが放牧に出た直後だったスペースクルーズ(母フィヨルドクルーズ)も、大型馬なのでまずはゲートまでというつもりだったとのこと。馬のタイプとしては、「母方の特徴が出ていて、タイキシャトル産駒だけど距離はこなしそうだよ」とのことだった。こちらも秋の東京目標。

 師とはそのまま最近の2歳戦全般の話になったのだが、最近は牧場の仕上げ技術が向上し、使おうと思えば使える馬ばかりなだけに、見極めが重要ということを強調されていた。いい馬ほど待つ必要があることも……と語られていたので、指名馬が一旦放牧に出ている方も、焦らずにお待ちいただきたい。

 もちろん、使える状態の馬、仕上がりの早い牝馬などは使っていく方針。お話をうかがったのがバウンスシャッセのレース直前だったのだが、まさに判断ズバリで快勝。同馬については、「向正面のペースが緩んだところでうまく上がっていけたのが良かったね。まだまだ良くなる馬だよ」とうれしそうだった。

小島茂師、平田師が教える近況

小島茂師が調教するテスタメントの母は、2008年の秋華賞を制したブラックエンブレム(写真)。「じっくりやりたい」とのこと 【netkeiba.com】

 その次に遭遇したのが小島茂之師。いったん帰したテスタメント(母ブラックエンブレム)はどうしているかうかがったところ、「牧場でも『いい馬だからじっくりやりたい』と言われていますし、すぐに戻すということはありませんが、馬そのものは元気ですよ」とのことだった。

 同厩舎では超身内ネタだが、須田の同級生が馬主となっているワンハンドカット(母アイディアルカット)が入厩。メイショウサムソン産駒なので緒戦からというタイプではないが、応援していただければ。師が「やけにおとなしくていい仔なんですよ」と笑っていたくらいで、性格はだいぶ良いようだ。ちなみに母は2001年の赤本で須田がおすすめ10頭に入れ、翌年の赤本で「イケてなかった馬列伝」入りした馬。その馬を繁殖牝馬セールで代理購買したのだが、なんか不思議な気分ですな。母も兄姉も体質が弱くて使い込めなかった馬ばかりだが、本馬は配合趣旨も違うし、この時期に入厩するくらい元気だ。

 最後に平田修師。「ベッラレイアの仔(ベッラレジーナ)がもうすぐ入ってくるよ」と楽しみにしていた。「ちょっと小さ目(440キロ台)だし、手元に置いてじっくり仕上げたい」とのこと。母は厩舎の存在を知らしめた馬でもあり、悔しい思いもした馬。娘には母以上の活躍を期待したい。

<了>

筆者:須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、90年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書を初めて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

POGとは?

「ペーパーオーナーゲーム(Paper Owner Game)」の略。競走馬の仮想馬主となり、持ち馬の成績を競うゲーム。馬主気分を味わいながら仲間で楽しむことができ、須田鷹雄氏ら愛好家が基本的なルールを提唱して普及した。一般的には、夏の新馬戦開始前に2歳馬を選び、翌年の日本ダービーまでの獲得ポイントを競うゲームとして知られている。
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