佐々木監督「持てる力は出しつくしたが」=東アジア杯 韓国女子代表戦後コメント

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試合後、選手1人ひとりにねぎらいの言葉をかける佐々木監督(中央) 【写真は共同】

 サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)は27日、韓国の蚕室で東アジアカップ最終戦となる韓国女子代表戦に臨み、1−2で敗れた。前半にFKで先制を許した日本は、後半に追加点を奪われると苦しい展開になる。大儀見優季が1点を返し、終盤に猛攻を仕掛けるも、反撃むなしく敗戦。開催国の前に3連覇の夢を断たれた。

 試合後、会見に臨んだ日本の佐々木則夫監督は「選手は持っている力を出しつくしてくれたが、韓国の勝負に対する姿勢が勝敗を分けたと思う」と言葉少なげに語り、敗戦に落胆しつつも、選手たちの頑張りを称えた。また、会見後の囲み取材では「みんな悔しさをかみしめているので、来年のアジアカップに向けて、今日の敗戦を良い機会にしないといけない」と今回の経験を糧に、またレベルアップしていくことを誓った。

 以下は囲み取材での佐々木則夫監督のコメント。

これを良い機会にしないといけない

――最初の失点が大きかったと思うが、FKの判定が微妙だったのではないか?

 こちらが足を上げたところに頭を入れてきましたからね。その前もそうでした。あのレフェリーは、アジアでやるときはあまり相性が良くなくて「ちょっと嫌だな」とは思いましたが、それは仕方ないです。それもサッカーの一部ですから。

――今日は3試合で最も闘志が前に出ていたように見えたが?

 そうですね。中国戦などの反省を踏まえてだんだん良くなってきました。(ただし)どれだけ集中力と闘志を燃やしても、ゴールマウスをこじ開けるところができませんでした。東アジアのレベルは高いので、今回そのレベルを確認できました。決して押し込まれてやられているわけではないので、そういうところは選手たちも良く分かっていると思います。あとはさっきもミーティングで全員に言ったのですが、われわれはアジアには負けるわけにはいかなというところで、敗戦の悔しさを全員がかみしめています。来年のアジアカップに向けて、ひとりひとりが今日のことを感じながら各チームでプレーしてもらいたいです。そして代表の(プレーの)質を上げるという点において、これを本当に良い機会にしないといけないです。

――岩渕真奈をはじめ、あまり出番のなかった選手がスタメンだったが?

 それぞれが持ち味は出してくれたと思います。しかし、出しきれなかったことにフラストレーションはあるはずです。その意味では次に期待したいと思います。

――中長期的に見た時に、マイナーチェンジではなくもっと大きな変化が必要なのではないか?

 今、なでしこリーグでヤングなでしこ世代の選手が活躍しているかというと、あまり活躍していない。若い世代を育てていくことも大事ですが、リーグで力を出した者を(代表に)呼んでいます。世代交代とよく言われますが、今の女子サッカーはやっと環境が整ってきたところで、31〜3歳くらいまでは十分に機能できます。ですからうまくなったら試合で起用します。チャンスも与えようとは思います。

――一時代を築いた選手がピークを迎えてしまったように見えるが?

 僕にはそう見えないです。

警戒はしていたのだが、チ・ソヨンにやられた

――今大会はパスミスやコントロールミスが多かったが、試合を重ねるごとに減ったことについて?

 チェックしてボールを受けるという習慣をもっとつけることで、相手との間合いを作ることができます。それとメンタルの部分では、試合にどうしても入りきれないところで単純なミスが発生しています。そこは意外に終盤で良くなりました。前回(の北朝鮮戦)も後半の方が良くなりました。

――シュート数は韓国が4で日本が15だったが?

 韓国の先制が早かったので、そこで守りたいという意識が高くなったと思います。逆にわれわれは攻撃しなければいけないというところで、数字的にはそうなったと思います。ああいう失点を防いで、流れの中でしっかり勝ち切れないといけません。失点が早かったので、僕自身も1点は確実に取りつつ、もう1点をというイメージでいましたけど、結果としてうまくいきませんでした。

――(2得点の)チ・ソヨンについて?

 INAC神戸でプレーしている時よりも、代表でプレーしているほうがピカ一ですね(苦笑)。素晴らしいです。局面で3人に囲まれてもびゅっと行くようなパワースピードがあります。警戒はしていたのですが、チ・ソヨンさんにやられてしまいました。日本の選手を熟知していますし、いろんな意味で燃えるものもあったと思います。今日は田中明日菜が「チ・ソヨンをしっかり抑える」と言っていたので、彼女としても悔しかったと思います。その思いを大事に、次につなげてくれればと思います。

<了>
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