安馬か高馬か、序盤戦は明暗分かれる=須田鷹雄「POGの達人」 2歳馬情報

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サトノバリアントは2歳新馬レースで5着に終わり、デビュー戦を飾れず。その他の高馬も苦戦が続いている 【netkeiba.com】

 仮想馬主となって現実の競馬を楽しむゲーム「POG(ペーパーオーナーゲーム)」。獲得賞金をポイントに置き換え、馬主気分で持ち馬の成績を競う。そのPOGを世に広めた“達人”こと、競馬評論家の須田鷹雄氏が2歳馬の最新情報をお届けする。2014年の日本ダービーを目指す若駒たちの動向に注目したい。

安馬から4頭の勝ち馬、高馬は苦戦

 トーセンスターダムに加えてキミノナハセンターも入厩し、後者については調整過程もなかなか順調のようなので、指名者の間ではムードが高まってきているところだろう。

 ただここまで、セール出身の2歳高馬は苦しい戦いが続いている。

 サトノバリアントとデルカイザー(ともに9000万円台)を筆頭に惜しい競馬ではあったが新馬2着のレッドアルヴィス、逃げてスピードは見せたものの5着のピエナブラウニーと5000万円以上は4頭ともまだ勝っていない。3000万円以上だと15頭がデビューして勝ったのは2頭のみ。ただしうち1頭はHBAトレーニングセール組のドラゴンスズランだから、当歳1歳取引馬はかなり苦戦している。

 最近はとにかく前倒しで使う流れだが、馬によってはそれによって無理が生じているのかもしれない。ちなみにセール価格の安い方からデビュー馬15頭をカウントすると105万円以下になるのだが、そこからはすでに4頭の勝ち馬が出ている。テルミドール(105万円)、コスモマイルール(105万円)、コスモエルデスト(84万円)、ジャリーヴ(73.5万円)の4頭だ。ちょっと倒錯した状況になっているとも言える。

 もちろん、高馬・良血馬の方が当たりだったときの飛距離が出るわけだし、105万円の馬で重賞を勝とうというのは容易なことではない。ただ高馬も、早い時期に無理をすることでポテンシャルをも殺してしまうことになると大変だ。番組制度に追い立てられる昨今ではあるが、そのあたりは考えないといけない。

未勝利も期待したくなる血統

テルミドールは2戦目の2歳未勝利レースで初勝利。函館2歳ステークス(G掘砲任錬甲紊暴わった 【netkeiba.com】

 さて、巻き返したい高馬勢だが、すでに入っている馬となると、冒頭で触れた2頭に加えて、函館にローハイド(母アドアード)、栗東にダノンアンビシャス(母レンドフェリーチェ)がいる。前者はそのまま使う流れだと思うのだが、今のところ調教で目立ってはいないようで、新馬で単勝という雰囲気には至っていない。後者は6月からずっといるので使う流れかと思っていたら、ゲートまでをじっくりやっている段階のよう。リフトザウイングスの後、ディープインパクト産駒の姉2頭が振るわなかったが、牡馬に替わって三度目の正直を狙いたいところだ。

 それに次ぐ価格というと、クロフネ産駒のタイセイクルーズ(母エルダンジュ)になる。2回目の産地馬体検査を受けていたので函館入りかと思ったら、栗東に入っていた。まだ入ったばかりなのでなんとも言えないが、番組上の選択肢が多い血統だし、個人的にはかなり期待している。

 クロフネ産駒ではアドマイヤサンダー(母ロゼダンジュ)が函館にいる。上はセールで人気になった馬ばかりだが、そろって未勝利。それでも期待したくなるのがこの血統のデキの良さ。それにしても馬名はアドマイヤサンデーとスレスレで、よく通ったものである。

 最後に、私の2歳馬原稿でさんざん触れてきたカレンリスベット(母シルヴァーカップ)は結局一度山元に戻った。使えないわけではないが、待った方が良くなるという判断。代わりにというわけではないものの、カレングランブルー(母ココナッツパルム・安田厩舎)が入厩予定とのこと。気性の勝ったタイプでもあり、こちらはそのままデビューへ向けて進める可能性が高い。

<了>

文:須田鷹雄(netkeiba.com)

POGとは?
「ペーパーオーナーゲーム(Paper Owner Game)」の略。競走馬の仮想馬主となり、持ち馬の成績を競うゲーム。馬主気分を味わいながら仲間で楽しむことができ、須田鷹雄氏ら愛好家が基本的なルールを提唱して普及した。一般的には、夏の新馬戦開始前に2歳馬を選び、翌年の日本ダービーまでの獲得ポイントを競うゲームとして知られている。
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