宇野薫「今のMMAに挑戦することがテーマです」=「VTJ 2nd」直前インタビュー

VTJ実行委員会

「VTJには出たいという気持ちが大きかった」

「VTJ2nd」で2010年のUFC以来のケージに入る宇野薫 【t.SAKUMA】

 6月22日に東京・TDCホールで行われる「VTJ 2nd」の「日本vs.北米 3対3」対抗戦に出場する宇野薫のインタビューが届いた。2010年3月のUFC以来となるケージでの戦いになる宇野が、ユライヤ・フェイバーが将来UFC入りは確実と認めるアンソニー・アヴィラを相手にどんな戦いを見せるのか?

――3月の修斗・後楽園大会に引き続き、短いインターバルでの試合になりました

 3月の試合でダメージもなかったので、チャンスがあれば試合をしたいと思っていました。特にVTJには出たいという気持ちが大きかったです。

――年末の「VTJ 1st」はご覧になりましたか?

 会場で見させていただきました。試合内容もそうなんですけど、イベントとしての部分にも目が行きましたね。僕自身、コンテンダーズをやったり、ケージフォースをお手伝いしていたので、試合以外の細かいところを気にして見ていました。

――前回大会にもチャンスがあれば出たいと思っていましたか?

 はい。やはり今はリングよりも金網が主流になりつつあって、UFCをベースにしたルールの試合が増えている。VTJもそこを目指している大会で、自分が今のMMAに対してどのくらいのものを持っているのか試したいと思っていました。

――宇野選手はUFCにレギュラー参戦していた時期があり、ケージには縁のある格闘技生活を送っていますよね。ケージへのこだわりはありますか?

 今のMMAの主流になっているという部分でケージのリングにこだわりがあるのかもしれないですけど、自分自身のこだわりで言えばUFCの金網の中でいいパフォーマンスを出せなかったことが心残りですね。出せなかったというよりも難しかったです。

――難しかった、ですか?

 日本でやっていたパフォーマンスを出しにくかったというのがありました。確かに負けたことも悔しかったんですけど、勝敗云々よりもそれを感じましたね。今でこそUFCに出ている選手は増えていますけど、特に僕が出ていた最初の頃は周りにUFCに出ている日本人選手はほとんどいなくて、その中で、どうすれば良いパフォーマンスを出せるのかを考えていました。

――ケージの試合としては2010年3月のグレイソン・チバウ以来となります。記者会見では「あの試合は何もできなかった」と振り返っていて、悔いが残る試合でしたか?

 エルミス・フランカに負けた試合もそうですけど、リリースされた試合は良くない印象が大きいです。悔いが残るというよりも悔しさが残る試合でした。

――そして再びケージでの試合、宇野選手は「今のMMAをできるかどうか」というテーマを掲げています。具体的にはどのように取り組んでいるのですか?

 チームには寝技、総合、ボクシング、キック、フィジカルのコーチがいて、その話し合いから、今のMMAに対する考え、自分の考えを意見交換して、チームとして進めている感じです。

「今回の試合は自分にとってターニングポイント」

「今のMMAに挑戦する」と意気込む宇野 【t.SAKUMA】

――対戦相手のアヴェラにはどんな印象を持っていますか?

 戦績を見ても勢いがあって、ユライヤ・フェイバーやチャド・メンデスと同じアルファメールの選手で、練習に行ったウィッキー(聡生)選手や田中(路教)選手から話を聞いて“強い”という印象しかないですね。

――UFC参戦目前と言われているファイターですが、そういう相手と戦うことについては?

 僕は今のMMAに挑戦すること、それがテーマですね。年齢やキャリアは関係なく強い相手なので、そこで自分がどんな試合ができるかです。

――宇野選手はこの試合の先にどういうことを考えていますか?

 特に今回の試合は自分にとってターニングポイントで、今後に影響する試合だと思います。とにかく僕は与えられた試合をしっかり戦うこと。もうあと何年もできる年齢ではないので、一戦一戦を自分が納得できる試合内容と結果を出せたらいいなと思います……というかそういう結果にしたいです。

――できることすべてをやって試合に臨みたいですか?

 そうですね。数年前とは格闘技を取り巻く状況が変わって、後輩でも辞める選手がいる中で、今でも自分がこういう環境で練習ができて、試合を組んでもらっているのは、本当にありがたいことですし、感謝しています。これを一日でも長く続けられたらいいなと思います。

――今回はVTJ初参戦ですが、VTJに期待していることはありますか?

 次の大会はVTJ自体、興行としてもターニングポイントになると思っています。前回よりも今回の方が絶対に良くなると思うし、それを継続してコンスタントにできるかという意味でも期待しますよね。

――高谷裕之選手も10月の大会には出たいと話していましたが、宇野選手も継続参戦したいですか?

 そうですね。僕もチャンスがあれば10月の大会にも出たいと思っています。もしかしたら高谷選手も自分と同じようなことを考えているのかもしれないですけど、興行が始まった時の雰囲気や感じるものでいろいろと分かるのかなと。例えばHERO’Sが始まって、ミドル級(70kg)を取り巻く状況が変わったじゃないですか。それと同じように次の大会でVTJの盛り上がる方向が示されるんじゃないかなと思います。
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