ザック監督「日本の実力を世界に示す」=コンフェデ杯、ブラジル戦前日会見

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ブラジルは優れたメンバーがそろっている

――日本はグローバル化されたチームで、海外で活躍する選手が多い。特にドイツでプレーする選手が多いが、欧州での経験が日本のサッカーをどう変えていったのか?(海外メディア)

ザッケローニ 有利な面もあればマイナス面もある。そのインパクトは数年後に分かる。というのも、数年前にわたしが日本に来たときは、海外で活躍する選手は少なかった。アジアカップで優勝してからか、あるいはわたしが監督になる前のW杯からか、多くの国が日本の選手に目を向けた。たとえばある商品を買ったとき、うまく機能すればそのブランドを覚えて似たものを買い求める。日本から欧州に渡った選手は、ただ数が多かっただけでなく、非常によくやっていた。だからメリットがあればデメリットもある。今のところサッカー全体で言えば、代表にとっては有利なことだと思う。それぞれ活躍しているチームや、対戦相手の知識などを代表にフィードバックできるからだ。それは日本にとってもプラスだと思うし、代表が成長したのは海外で活躍する選手が多くなったからだと思う。

――長谷部選手、去年ブラジルに0−4で敗れたことで何を学んだか。また、結果を変えるためにチームでどういうことをしようと考えているのか(大住良之/フリーランス)

長谷部 昨年の10月は0−4でしたけど、自分たちも手応えもありました。ただブラジルは個々の選手の能力も高く、少しのスペースを与えればそこを突いてくる。そこはアジアのチームとは違うというのを明らかに感じました。そこで感じたブラジルの強さ、その強さもいろんな意味があります。しかし、そこで出た課題を今回しっかり修正して、チームとしてもう一度しっかり抑えられるように、ということはミーティングでやっています。細かいことは言えないです。

――ブラジルは監督が代わったばかりだが、最強の選手は誰か? また脅威は何だと思うか?(ブラジルメディア)

ザッケローニ ブラジルはピッチのあらゆるところで、質の高い選手を持っているので、一人のプレーヤーに焦点を当てるべきではない。個々の技術では、数年前と比べて改善されている。つまりチームとして良くなっていると思う。より手堅く、よりダイナミックなサッカーをやっている。個々の選手の予測できないプレーに加え、チームとしてもまとまりがある。ブラジルはこの大会だけでなく、来年のW杯でも優勝の可能性の高いチームではないか。非常に優れたメンバーがそろっており、たとえ一人がけがをしても、それを埋める選手もレベルが高い。

相手の弱点を狙い、最良の部分を最大に発揮する

――コンフェデ杯は代表が成長する機会だと思うか?(海外メディア)

ザッケローニ われわれはレベルを試すためにきている。どのレベルかを知り、良いチームであることを示し、この機会に優れたチームと対戦するためにきている。あまり普段では対戦できないような相手と戦うためだ。こういう大会でないと戦えないチームばかりなので、この機会を利用してわれわれも成長したいと思っている。個々のプレーヤーにとっても同じことが言える。すでに欧州のクラブで活動している香川(真司)などにとっても、良い経験になると思う。

――ブラジル代表はプレスの非難を浴びており、実際に今の代表は最悪のレベルだ。日本はW杯出場が決まっていることがプラスになると思うか?(海外メディア)

ザッケローニ ブラジルの選手はプレッシャーに慣れているではないか。誰もがブラジルのポテンシャルはよく知っているだろう。勝って当たり前、負ければ非難される。わたしは長年セリエAで指導してきたが、勝つことが当たり前であり、勝てないと非難される、そういうプレッシャーがあった。ブラジルはもう、慣れているのではないか。日本は確かに士気は高い。W杯出場を早く決めたことによって、感情面でも後押しができていると思う。

――今大会は試合の間隔が短いが、同じようなメンバーで同じような戦い方を貫くのか、あるいは3試合で違ったテーマを考えているのか?(後藤健生/フリーランス)

ザッケローニ このチームで数年間試合をしてきたが、日本に来たときはアジアカップ直前で、当初は多くのことを変えてきた。しかし、途中からは何も変えていない。この3年、同じような状態だ。もちろん、異なる個性のチームと対戦するわけだから、戦術的には違った手法があると思う。相手の弱点を狙っていくし、自分たちの最良の部分を最大に発揮するようにしたい。ただし、われわれのプレースタイルを変えるつもりはない。われわれがなじみのあるゲームをやって、3チームに対して通用しないのであれば、脱帽するしかないだろう。それでもわれわれの可能な限りゲームを推し進めるつもりだ。

<了>

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