U18日清食品 四国ブロックリーグ2024 男子 大会レポート 向井絢哉「みんなの声を力にして勝利にこだわりたい」県立松山工業(愛媛県)

U18日清食品リーグ
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【©U18日清食品リーグ】

県立松山工業は「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」で苦戦が続いています。4連敗で迎えた9月28日と29日には『ホーム』愛媛県の伊予市民体育館での試合。気合い十分で臨んだ県立海部(徳島県)との試合は前半で38-33とリードしましたが、第3クォーターで9-22と失速。終盤の猛追も及ばず68-72で敗れました。

翌日の県立高松商業(香川県)との試合も54-83で敗戦となりましたが、それでも県立松山工業の選手たちは前向きな姿勢を失っていません。遠征には部員全員を連れていくことはできませんが、この両日の試合は愛媛県開催とあって全員が会場に駆け付け、保護者や学校関係者も含めた応援団が観客席から大声援を送りました。

「ありがたいです。みんなの声が本当に力になります」と語るのは3年生の向井絢哉選手です。苦しい試合展開でもコートに立っている選手とベンチの選手が多くのコミュニケーションを取り、お互いを鼓舞して戦います。そしてスタンドからは大声援。この結束力の強さが県立松山工業の魅力です。「僕たちの1つ上の代の先輩たちがすごく仲が良くて、僕たちはそれを真似ています。これを松山工業の伝統にしたいと思っています」と向井選手は言います。

【©U18日清食品リーグ】

池松健彦ヘッドコーチによれば、去年の3年生は部員が多く、3年間で一度もユニフォームを着れない選手が複数いたにもかかわらず結束力が強かったそうです。その姿勢を後輩たちが見習う状況を受けて、その特徴を生かすべく、特に今年度はAチームとBチームで練習を分けたり、下級生を別メニューにするのではなく、全員一緒に活動するよう心掛けているそうです。

池松ヘッドコーtはこう言います。「今は3年生が9人で2年生が11人、1年生が27人いますが、2人の顧問にも協力してもらってできる限り全員で活動しています。この時期は『自分は上級生になってもユニフォームを着れない』と感じた1年生が何人か辞めることがあるのですが、まだ誰も辞めていません。上級生が下級生に気配りをしたり、声を掛け合ったり、我々の見えないところで支え合っている部分も大きいのだと思います」

その意味でも池松ヘッドコーチは、この「U18日清食品 四国ブロックリーグ2024」が貴重な機会だと話します。「多くの選手に試合を経験させられますし、普段はユニフォームを着れない選手をサポートメンバーとして連れて行くこともできます。この効果はすごく大きく、そこで救われている選手がたくさんいると思います」

【©U18日清食品リーグ】

オールラウンドな活躍ができる向井選手は、巧みなフットワークでディフェンスをかいくぐるスキルを持っていますが、それを封印してチームを動かし、チームで勝とうとしています。「中学校の時から、自分が活躍するよりチームが勝つ方が良いと思っています。仮に自分が40得点しても負けたら意味がありません。そのためにチームを使ってのプレーを優先していますし、練習でも意識しています」

試合と練習を繰り返す中で、チームが成長しているという手応えも感じています。「ここまで『U18日清食品 四国ブロックリーグ2024』を戦って、その間の練習でも『勝つぞ!』という声を出してやっている中で、チームとしてはオフェンスで一人ひとりのスキルが上がり、2対2の組み合わせなど点を取れる場所が増えたという成長を感じています」

それでも、チーム一丸で戦っているからこそ、勝利という成果が欲しいのも本音です。チームファーストでプレーし、結束力を伝統にしようとする選手たちは、最後まで勝利にこだわります。向井選手は力強くこう語りました。「大会が始まる時は1位を目指していたのですが、今は8位です。最後は同県対決の新田戦なので、そこで勝って終わりたいです」
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著者プロフィール

「U18日清食品リーグ」ば、バスケットボールにおける部活・クラブなどの垣根を超えたU18年代の階層別リーグ戦です。リーグ戦文化の導入により、実力が拮抗するチーム同士の対戦や、多くの選手への出場機会、また、予定された試合/対戦相手を見据えた質の高い準備など、公式戦の試合数が確保された環境下で競技に取り組むことにより、競技力の向上を目指して設立した競技大会です。 今年度も「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会 2024」 として 「U18日清食品トップリーグ2024」 、「U18日清食品ブロックリーグ2024」を開催いたします。

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