ザック監督「日本の実力を世界に示す」=コンフェデ杯、ブラジル戦前日会見

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ブラジル戦を翌日に控え、会見に臨んだザッケローニ監督(左)と長谷部(右)。ともに今大会への意気込みを語った 【Getty Images】

 サッカー日本代表は15日(日本時間)、コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)のブラジル戦を翌日に控え、前日会見を行った。2014年のブラジルワールドカップ(W杯)を前に各大陸王者と、12年のW杯優勝国、そして開催国のブラジルの8チームで行われる今大会。すでにW杯出場を決めている日本代表としては、世界の強豪と真剣勝負の場で戦える数少ない場所となる。

 前日会見に出席したアルベルト・ザッケローニ監督は「今大会の目標は、われわれがいかに実力を高めたかを世界に示すこと」と、この今大会の目標を口にした。また、会見に同席した長谷部誠(ボルフスブルク/ドイツ)は「勝ちにきているので、強い気持ちで臨みたい」と意気込んだ。

ブラジル有利、だが良い試合ができる

ザッケローニ この大会に参加することは2年前から分かっていたが、出場できることを非常に誇りに思っている。このグループAにいるチームは、FIFA(国際サッカー連盟)ランキングでは日本よりも上位だが、日本のパフォーマンスも向上している。今大会の目標は、われわれがいかに実力を高めたかを世界に示すことだ。と同時に、ここで来年のW杯を前に、貴重な経験をしたいと思っている。日本は非常に若手が多いチームで、意欲も高い。また、わたしが監督就任前から代表だった、経験豊かなメンバーもいる。彼らの活躍も期待できるだろう。開幕戦を楽しみにしている。開催国(ブラジル)との対戦だが、(ブラジルは)優勝候補であり、前回優勝チームでもある。ホームアドバンテージということで有利だとも思うが、われわれとしては良い試合ができると思う。


長谷部 このような素晴らしい大会で、素晴らしい相手と試合ができることはうれしいです。この経験を重要なものにするために、自分たちがいろんなことにチャレンジしてプレーすることが大事だと思います。明日は開催国ブラジルと開幕戦ということで、素晴らしい雰囲気の中で試合ができると思います。僕たちはここに勝ちにきているので、強い気持ちで臨みたいと思います。

――日本代表は今、どんな状況か?

ザッケローニ 数週間前に(代表が)集まったときは、最良のコンディションではなかった。それに、日本はW杯の出場権を獲得し、アジア最終予選を終了して2日前に来たばかりだ。ただし、この2試合(オーストラリア戦とイラク戦)でコンディションは良くなってきている。もちろん、休みはなかったし時差ボケも完全に解消できていないが、わたしのチームは、先の2試合よりもさらに良い内容の試合ができるのではないかと思っている。(日本は)力強いチームだと思っているし、非常に力強い相手と戦うので、前の2試合以上の良い試合をしなければならないと思っている。

各大陸最強のチームが集う重要な大会

――日本は他の代表と匹敵するレベルになっていると思うか? 10年前はそうではなかったと思うが(ブラジルメディア)

ザッケローニ 日本はこの2年間で非常に良くなっていると思う。それはアジア全体に言えることだ。このコンフェデ杯に出場することで、われわれがどのような状態にあるのか、レベルが分かると思う。ただ、最強のチームと同等で戦うことはできないと思うが、今大会でのわれわれの結果で、来年のW杯に向けてどれくらいのレベルにあるかが明らかになるだろう。もちろんギャップはあると思うので、どれくらい埋められるかを今後考えていかないとならない。アジアでの戦いで、日本はよくやってくれたし、他のアジアのチームより優れた実績を残した。コンフェデ杯、W杯で、日本のレベルを見てほしいと思う。

――この大会を通して、真剣勝負で強豪と戦えることで、選手にどういう反応が現れることを期待しているか?

ザッケローニ 確かにプレーヤーにとってもわたしにとってもエキサイティングな大会だ。わたしはキャリアをかなり積んできているが、コンフェデ杯はコンフェデ杯で非常に重要な大会だ。他にも各大陸を代表する最強のチームが参加しているし、主催国はこの大会で2連覇しており、多くのカップを手にしている。そういう意味で、明日は楽しみだ。確かにFIFAランキング上位のチームばかりだが、われわれはアジアでの異なる条件のもとで戦ってきた。アジア以外ではあまり試合をしていないが、特に強いチームと対戦することで、どういう改善がされてきているのか非常に楽しみだ。メンバーに関しては、非常に強い個性をもって、また勇気をもって、どのようにプレーすべきか知り得る限りのことをすべて出してプレーしてほしい。恐れることはない。そしてイニシアチブを取らなければならない。世界最良のチームではないかもしれないが、サッカーを知っているし、うまいやり方も知っているチームだと思う。

――ブラジリアの印象は?(海外メディア)

ザッケローニ ブラジリアでは、まだ観光していない。というのも、われわれはW杯予選があったので、ブラジルに到着したのはつい先日のことだったからだ。それでも、組織運営が非常に良く、空港の出迎えは感激した。ブラジルは(世界中から)注目されているし、イタリア人にとってブラジルはお気に入りの国だ。なので、この国で(コンフェデ杯を)経験できることに喜びを感じるし、来年も本大会で試合ができるのは楽しみだ。

――昨年、ブラジルに0−4で敗れたが、決して内容は悪くなかった。明日は結果と内容、どちらを重視するか?

ザッケローニ われわれは何かを自慢するのは好きでないので「明日は勝つ」とは言わない。ただ事実として、すべてのアスリートは常により良い実績を残そうとするが、われわれもより良くなるように戦おうと思う。チームがイニシアチブを取り、最近のゲームで見せたような形でボールを奪って、これまでの成果を見せたい。もちろん、ブラジルが有利なのは間違いないが、その中で最善を尽くして努力したい。とはいえ単一のゲームでは、どのチームも特に有利だと思っていない部分もある。プレーヤーにできることすべてをやるように伝えた。それから昨年のブラジル戦は親善試合であり、背景も違った。明らかに大きなレベルの差はあったが、明日はオフィシャルなゲームなので内容も違ってくる。

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