34歳・石川「ISKAベルトを獲って浪漫を見せたい」Krushインタビュー

株式会社グッドルーザー

「浪漫を見せたい」と世界王座を狙う34歳のベテラン・石川 【(C)Good Loser】

 6月16日の「Krush.29」後楽園ホール大会で、ISKA世界ライト級王座決定ワンデートーナメントに出場する石川直生(青春塾)、グザヴィエ・バスター(フランス)、卜部功也(チームドラゴン)、大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB)のインタビューが届いた。

■石川「今まで『世界』という言葉を口にしなかったが…」

――今回はISKA世界ライト級王者決定トーナメントですが、オファーを受けて、率直にどんな心境でしたか?

「そう来たか、と。60kgの選手とはほとんどやっているし、タイトルマッチも2度やっているので、次の試合がどうなるのか分からなかったんですよ。(卜部)功也君が60kgに落としてきて、いつか俺とやるなとは思っていたけど、いきなりワンマッチというのも違うだろうし。そういうことを考えている時に、ISKAの話があって、こういう流れになるんだと思いましたね。実は俺、今までのキャリアで『世界タイトルを獲りたい』とか『世界を目指す』という言葉を口にしたことがなかったんです。それは世界タイトルに興味がないというわけじゃなくて」

――キックではタイトルやベルトの数が多いですし、“世界”といっても価値観が多種多様な印象があります

「そうかもしれないですね。だから自分の中で“世界”という言葉で発信しなかったのかもしれません。でも世界タイトルにチャンスを与えられる人間というのは、世界チャンピオンになる価値がある人間だと思うんですよ。だから俺も世界タイトルを巻く価値を与えてもらったんだなと思って、そうなると自分が面白くなってきたんです。人に『次の試合は世界タイトルがかかっているんですよ』という自分が滑稽で。世界タイトルを目指していなかった俺にそういうチャンスが来たっていうのが。選手をやっている以上、世界チャンピオンはトップだと思うし、選手としての実力や人間性も含めて、その価値がある選手になったんだなと思いました」

――対戦相手のバスターはKrush−60kg級王者・卜部弘嵩選手が延長戦まで苦しめられた相手です

「イメージとしては(変更前の)グァニー・バラッジが獰猛な肉食動物なら、バスターは賢い雑食動物という感じですね。何をやってくるか分からない、倒されるかもしれないという怖さはバラッジの方が上だと思います。でもしっかり獲物を仕留める技をたくさん持っていて、生き残る術を知っているのはバスターなんですよ。だからトータル的にとらえれば、俺にとってはどちらも難しい相手だと思います」

――今回のインタビューで大沢文也選手は「自分はまだ自分を出し切れていない。トーナメントで出したい」、卜部功也選手は「今はまだ60kgで実績がない。60kgでの強さを見せたい」というテーマを語っていました。石川選手はどんなテーマを持っていますか?

「俺が思っている“Krush”を体現したいですね。5月の後楽園は寺戸(伸近)君が武尊選手に、梶原龍児が木村(ミノル)選手に負けて、ベテランと言われる選手が若い選手に負けた大会だったと思います。そして次のトーナメントも俺が卜部功也や大沢文也っていう若い選手に混じってベルトを争うトーナメントです。だからこそ34歳の俺が、一度は引退を口にした俺が世界タイトルを獲ることで『それも格闘技なんだよ』というところを見せたいです」

――なるほど

「一昔前だったらありえなかったじゃないですか、20代前半の選手が30歳前後のチャンピオンクラスに勝つのは。時代の流れとして『3分5Rのヒジ・ヒザあり』から『3分3Rのヒジ・ヒザなし』になって、よりシンプルな競技になったから、勢いがある選手が勝つことが多くなって、それが今のKrushでもあると思います。でもそれだけじゃないだろって。そういうルールになってもベテラン選手が若い選手に勝つのも格闘技。それもKrushの浪漫だし、醍醐味だと思うんです。今回、俺はISKAを獲って、そういうKrushを見せたいと思っています」

バスター「チャンピオンになったら卜部弘に挑戦したい」

優勝してKrush王者・卜部への挑戦に意欲を示すバスター 【(C)Good Loser】

――再びKrushで戦うことが決まって、どんな心境ですか?

「Krushで再び戦うことができて、非常にうれしく思っています」

――前回の卜部弘嵩戦には、どんな感想を持っていますか?

「試合内容に関しては、自分の方が完全に勝っていたと思っていて、それだけに試合残り時間1分でドクターストップになってしまったことが悔しかったです」

――Krush王者で2年以上も負けなしの卜部選手と互角以上に戦ったことをどう感じていますか?

「前回の卜部戦は準備期間がたった1週間しかありませんでした。次(弘嵩と)戦う時は必ず勝てると思っています」

――ワンデイトーナメントで勝つためには何が必要だと思いますか?

「勝ちに集中するための気持ちを高めることではないでしょうか」

――一回戦で対戦する石川直生選手にはどんな印象を持っていますか?

「自分より身長が高いことは知っていますが、それ以外のことは特に知りません」

――石川選手は60戦近い戦績を誇るベテラン選手ですが、そういう相手と戦うことについてどう思いますか?

「経験豊富な選手と戦えることはうれしいし、とても良い試合になると思っています」

――決勝戦には誰が勝ち上がってくると予想していますか? もしくは誰と戦いたいですか?

「恐らく卜部功也選手が勝ち上がってくると思います。自分自身、卜部功也となら面白い試合になると思っています」

――1日2試合、どんなフィニッシュで勝ちたいと思っていますか?

「パンチかハイキックでのKOで決めたいです」

――ISKAの世界チャンピオンになったら、どんなチャンピオンになりたいですか?

「、もっと沢山の大会で強い選手とどんどん試合をしていきたいですね」

――Krushのタイトルを狙いたいという気持ちはありますか?

「もちろんです。リベンジも含めて卜部弘嵩が持つKrushのタイトルを狙っていきたい」

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