UFC160は超ド級の豪腕祭り=迫力のヘビー級王座戦&ハントも参戦

情報提供:WOWOW

KO決着必至の“爆腕バトル”

日本のファンにもお馴染みの元K−1王者ハントの豪打が爆発するか!? 【(C)Photo Courtesy of UFC】

 アメリカの“格闘技の聖地”、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで5月25日(現地時間)に開催されるUFC160。メインではヘビー級王者ケイン・ベラスケス(米国)が、アントニオ・シウバ(ブラジル)を相手に防衛戦を行なう。ベラスケスは一昨年11月に屈辱の秒殺KO負けを喫したジュニオール・ドス・サントスに、昨年12月、見事リベンジを果たして王座を奪還したばかりだ。

 一方、挑戦者のシウバは、“皇帝”エメリヤーエンコ・ヒョードルや元UFCヘビー級王者2人を倒した実力者で、今年2月には“格闘三冠王”アリスター・オーフレイムをパンチの連打でKOし、さらに株を上げた。

 セミでは前ヘビー級王者ジュニオール・ドス・サントスが、元K−1王者マーク・ハントと激突。ベラスケスに敗れるまでKOの山を築いてきた前王者が、3月の日本大会でステファン・ストルーブの顎を叩き割ってKO勝ちしたマーク・ハントと、KO決着必至の爆腕バトルに臨む。

タックルとヒジで切り裂く王者ベラスケス

強烈なタックルとヒザを武器にするヘビー級王者ベラスケス 【(C)Photo Courtesy of UFC】

 ベラスケスは元PRIDEヘビー級王者の“柔術マジシャン”アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラと、WWEで活躍した“怪物”ブロック・レスナーを連続KOしてUFCヘビー級王者になった選手。レスリング全米Jrカレッジ王者の実績を持ち、強烈なタックルでテイクダウンし、グラウンドでは強烈なヒジで相手を切り裂き、パンチを叩き込んで戦闘不能にする。スタンド状態での打撃も強烈で、UFCで大会ベストKO賞を3度も受賞している。特にレスナー戦は年間ベストKO賞にも選ばれた。総合戦績は11勝1敗で、唯一敗れた相手ドス・サントスにも、きっちりリベンジを果たしている。

 今回の挑戦者シウバには、ドス・サントスと再戦する前、昨年5月のUFC146で対戦、あっさりテイクダウンし、上からヒジ打ちとパンチの雨を降らせ、シウバの顔面を大流血させて3分36秒でTKO勝ちした。タックルと打撃だけでなくスタミナも無尽蔵で、ヘビー級にもかかわらず5Rフルに動き続けることが出来る。そしてドス・サントスとの初戦でキャリア初の敗北を喫して以来、ダニエル・コーミエ(アテネ五輪のレスリング4位。ジョシュ・バーネットを破ってストライクフォース・ヘビー級GP王者になった)らと地獄の猛特訓を積んで、より一層強さを増しているのだ。

ヒョードルを戦闘不能、アリスターを撃沈したシウバ

ことし2月にアリスターをKOして株を上げたシウバ 【(C)Photo Courtesy of UFC】

 対するシウバは、身長193センチ、通常体重140キロ近い巨漢。UFCでの試合時はヘビー級上限の265ポンド(約120キロまで落とすが減量してもパワーは全く衰えず、特にパンチは強烈だ。前回は、K−1、DREAM、ストライクフォースの3団体で王者に輝いた“格闘三冠王”アリスター・オーフレイムをパンチの連打でTKOしてのけた。

 スタンドでのパンチだけでなく、柔術黒帯を持つ寝技の技術も確かで、ストライクフォースで“皇帝”ヒョードルと戦った際も、サンボ出身のヒョードルをグラウンドでコントロールして殴りまくり、2R終了時に戦闘不能に陥らせTKO勝利した。アンドレイ・アルロフスキー、リコ・ロドリゲスといった元UFCヘビー級王者2人にも勝っており、潜在能力はもちろんのこと、実績面でも申し分のない挑戦者だ。

 前回のベラスケスとの対戦では、蹴り足を取られてテイクダウンされ不覚を取ったが、今回は前回の反省を踏まえ、徹底したテイクダウン対策を練り、たとえ倒されてもすぐに立つ猛特訓をしている。本人も「前回はミスを犯した。あまり練習してない技(蹴り)を出しちまった。だが、今回は前回と違う」と語っている。さらに、「ベラスケスは俺より体重が軽い分スピードがあるが、俺に触れるためには距離を詰めなくちゃならない。接近戦になれば、俺の方がはるかにパンチ力があるし、俺のパンチが当たればヤツは絶対倒れる。試合後は、ダナ・ホワイト社長は間違いなく俺の腰にベルトを巻くことになる」と豪語する。

サントスvs.ハントの剛腕対決に注目

5カ月ぶりの復帰戦に挑む剛腕サントス 【(C)Photo Courtesy of UFC】

 セミでは昨年末ベラスケスに敗れて王座を失ったドス・サントスが、5カ月ぶりに復帰戦を行なう。王座陥落した試合での彼は、かつて秒殺KOしたベラスケスに、完膚なきまでに圧倒されてしまったが、実はあの試合の際にはプライベートな問題で悩んでいた。十年間連れ添った妻と試合数日前に離婚し、精神状態がメチャメチャだったのだ。実力伯仲するUFCのトップ戦線では、わずかなメンタル面での迷いも試合を大きく左右するが、あの試合のドス・サントスは、いつもの自信に満ち溢れた様子がなく、ほとんどいいところを出せないまま終わってしまった。しかし離婚に続く痛恨の敗戦と王座陥落によって全てを失い、地獄を見た彼には、もはや失うものがない。本来の調子を取り戻せば、ミルコ・クロコップやフランク・ミア、ギルバート・アイブルやファブリシオ・ベウドゥムら並み居る猛者をKOしてきた必殺パンチが復活するはずだ。

 そんな前王者が真に復活したのかどうかの試金石として、マーク・ハントほど打ってつけの相手はいないだろう。元K−1ワールドGP王者であり、K−1ではジェロム・レバンナやステファン・レコをKOし、総合でもミルコやヴァンダレイ・シウバを破り、最近ではUFC日本大会に2年連続出場し“フランスの武芸百般ストライカー”シェイク・コンゴと“オランダの大巨人”ステファン・ストルーブを連続TKOに葬っている。特に今年3月の日本大会では、ストルーブの顎をフックで叩き割ってKOしたのが記憶に新しい。

 大会ベストKO賞を3度受賞しているドス・サントスと、2度受賞したハント。この試合もメインに劣らぬ豪腕、いや“爆腕”対決と言っていいだろう。

 今大会にはさらに、クイントン・“ランペイジ”・ジャクソンを破り、ソクジュにKO勝ちしたライトヘビー級のグローヴァー・テイシェイラも参戦、ハントの弟子のジェイミー・テフナと対戦する。まさに重量級の“豪腕カーニバル”と呼ぶにふさわしい大会だ。

(文:稲垣 收――WOWOW UFC解説者)
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★生中継!UFC−究極格闘技− UFC160 ヘビー級タイトルマッチ&豪腕ハント再び!
ヘビー級チャンピオンのベラスケスとリベンジを誓うシウバの再戦が実現。ドス・サントスとマーク・ハントの一戦もあり、ヘビー級戦線の行方を左右する豪華カードが実現した
5月26日(日)午前11:00〜[WOWOWプライム]※生中継
<主な対戦カード>
ヘビー級タイトルマッチ:ケイン・ベラスケスvs.アントニオ・シウバ
ヘビー級:ジュニオール・ドス・サントス vs マーク・ハント

★生中継!UFC−究極格闘技− UFC161 ショーグン、ダンヘン登場!ライトヘビー級2大決戦
ショーグン、ノゲイラ、エバンス、さらにダンヘンという豪華ライトヘビー級の実力者たちによる見逃せない攻防。王者ジョーンズへの挑戦権に近づくのは誰か!?
6月16日(日)午前11:00〜[WOWOWライブ]※生中継
<主な対戦カード>
ライトヘビー級:マウリシオ・ショーグン vs アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ
ライトヘビー級:ラシャード・エバンス vs ダン・ヘンダーソン

★UFC登竜門TUF 超人ジョーンズ軍vs闘将サネン軍
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