添田豪「自分に負けて終わりたくない」=躍進の日本男子テニス 存在感増す28歳
憧れの選手はサンプラス いま最も刺激を受ける選手は35歳のハース
刺激を受ける存在として、35歳のハースの名前を挙げた添田 【スポーツナビ】
――ベテラン選手のどんなところを参考に?
同じツアーを回って彼らの練習や試合を見たりして、トレーニング方法や練習の仕方、態度などを意識して見るようになりました。
――例えば、どの選手に刺激を受けていますか?
一番のベテラン選手というと、トミー・ハース選手(ドイツ)ですね。今年35歳でトップ20(14位=5月20日付)にいますし、動きも衰えていない感じがします。彼のようなプレーや体作りを目指していきたいです。
――いま28歳の添田選手にとっては、まだまだあと7、8年は十分にやれるということですね。
そうですね(笑)。そこは目標にして、第一線でとにかく長くやれることがプロの生活として一番幸せだと思うし、長ければ長いほどやりがいも出てくると思うのでチャレンジしていきたいですね。
――いまの自分は、理想とするプレーヤーにどのくらい到達している?
まだ自分なりの理想には遠く、まだまだ足りないと思っています。悔いを残して終わるともやもやするので、やりたいとか、こうしなきゃいけないと思ったことはとにかくやってみて、完全燃焼して『もう駄目だ』と思って終わりたい。ランキング何位というよりも、自分の中でやり切れるまでやっていきたいです。
でもランキングが落ちて、いま戦っているステージより下のステージでやり切れるかというときついと思うので、できる限り上のステージで終わりたい。もしこのままやっても伸びしろがないと、自分で思った瞬間はやめると思います。それがいつになるかは分かりません。
今後の道は、猪木の名言“迷わず行けよ、行けば分かるさ”!?
5歳下の錦織(左)には「置いて行かれないように頑張る」。写真は2012年7月、アトランタOP準々決勝。同試合は添田が勝利 【Getty Images】
――添田選手の身近に年下の錦織圭選手がいます。彼はここ1、2年でトップ15になって目標を次々とクリアしていますが、錦織選手はどんな存在ですか?
結構、長いこと一緒にいて特に意識する関係ではないですね。すごい成績出したらすごいと思いますし、普段コートを離れて一緒にいるときはすごいと思わないですし、不思議な感覚ですね。ライバルとは違うし、彼のようになるというか、やはり彼についていかないといけないし、負けられないというよりは置いていかれないように頑張らなければいけないです。
――添田選手にとって、トップ100を切った後で見えるようになった世界やステージも、これからどんどん変わってくると思います。これからどんな思いでツアーに挑みたい?
やっぱり大きな大会で勝ってインパクトを残したい気持ちはあります。やはりグランドスラムで勝ち残りたいですし、ツアーであれば決勝に行ったことがない(ベスト4が最高)ので、まず決勝に行くことを達成したいです。
目指すは猪木道!? 今後も「とにかくやってみる」の姿勢で、前へ向かう 【スポーツナビ】
テニス自体は結構良い状態にあるので、体調を気にしてやっていけばチャンスは出てくると思います。いまはテニスそのものよりもコンディションを大事にしています。とにかく万全の状態で臨めればやれるという手応えや自信もある。もちろん目標を達成できるかどうか分かりませんが、できる準備は常にしていきたいと思います。
――自分の目標を公言するタイプですか?
聞かれれば言いますけど、聞かれなければ言わないですね(笑)。
――それでは最後に、いま一番大事にしていることやモノ、または考えは?
無駄なことでもとにかくやってみようと、そうすれば何かひらめくことがあるから。あまり先のことを考えて、これをやっても意味ないなと思わないようにしようかなと。そういう気持ちで取り組んだら、過去に良いこともあったので。プロレスが好きなんですが、大好きなアントニオ猪木さんが引退したときに言った「迷わず行けよ 行けば分かるさ」という言葉が好きですね。(猪木さんに会ったことはありますか?)まだ会っていないので、会ってみたいですね(笑)。
<了>
添田豪 【スポーツナビ】
1984年9月5日生まれの28歳。神奈川県藤沢市出身。3人兄弟の末っ子。血液型O型。178センチ、73キロ。4歳からテニスを始める。小学生時代はサッカーもプレー。2003年4月にプロ転向。ダビデ・サンギネッティコーチ。ツアータイトル未勝利。世界ランキングの自己最高位はシングルス47位。5月20日発表の最新世界ランク115位。2006年ドーハ・アジア大会の団体銀メダリスト。趣味は音楽鑑賞で好きなジャンルはHIPHOPとR&B。