モイズ就任がユナイテッドにもたらす影響=注目される香川の起用法とルーニーの去就
香川にとっては試練のシーズンに
香川にとって試練のシーズンとなるのは間違いない。指揮官を納得させる結果を出せるかがカギとなる 【Getty Images】
とはいえ、モイズもあまりに性急な改革は行わないはずだ。ユナイテッドにはファーガソンが築き上げてきた歴史がある。この偉大なる前任者がフロントに残る以上、無用な混乱を招かないためにも、これまでの路線を踏襲しつつ、香川の生かし方を探っていくことだろう。また、戦力に限りがあったエバートン時代とは異なる戦術を採用する可能性も考えられなくはない。
それでも、残された猶予はいままでより確実に少ない。香川はファーガソンの要望によって獲得した選手。自分が求めた選手に期待するのは当然のことで、ファーガソンは適応に苦しんでいた香川を常に擁護してきた。今後はその後ろ盾をなくしたことで、これまで以上に結果が求められるはずだ。フェライニの獲得が現実になれば、ポジション争いはさらにし烈を極める。その意味でユナイテッドで迎える2年目は、今季よりさらに厳しい戦いが待ち受けている。
指揮官の大型移動が起きそうな来季
来季はバイエルンの監督にジョゼップ・グアルディオラが就任し、レアル・マドリーもジョゼ・モリーニョ監督の退任が濃厚。チェルシーはすでにラファエル・ベニテス監督の退団が決定しており、パリ・サンジェルマンもカルロ・アンチェロッティ監督がチームを去る公算が高い。例年になく大物指揮官の大移動が行われそうだ。そのなかでも28年ぶりに監督を交代したユナイテッドの戦いぶりは、否応なしに注目されるだろう。モイズは自身にのしかかる多大なプレッシャーに負けず、クラブに再び黄金時代を築けるのか。今から来季が楽しみである。
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