橋本大地「僕にはプロレスしかない」=“破壊王子”が4カ月ぶりに復帰

ファーストオンステージ

復帰戦は“どえりゃー”すごい飯伏と対戦

復帰戦の相手である“どえりゃー”すごい飯伏にも「胸を借りる気はサラサラない」と力強いコメントを残す 【写真提供:ファーストオンステージ】

――そして、いよいよ4月15日に、リング復帰です。

 本当に待ちに待ちました。

――その相手が、DDTプロレス・飯伏幸太選手です。

 いやぁー、ビックリです。

――飯伏幸太選手の印象は?

 僕がデビューしてすぐにインタビューで言ったことがあるんですけど、実に衝撃だったんです。初めて観た試合が。いつだったかは憶えてないんですけど、人形さんと試合をしていて。ヨシヒコ選手? そう、ヨシヒコ! で、人形相手に試合して、「すごいな!」と思ってたら、次に新日本さんのIWGPジュニア選手権試合でチャンピオンになったんです。“どえりゃー”すごいな、と思いました。

――ど、どえりゃー!?

“どえりゃー”は岐阜弁の“すごい”の最上級なんです。だから最上級のすごいな、と。で、一度DDTさんの控え室に行く機会があって、「飯伏さんだ!」って。

――大地選手がレスラーの名前を覚えるなんてすごいですね。

 そうなんです。僕、『××××(自主規制・某レスラー)』さんの名前が分からなくて、怒られたことがあって。なんで、その時も、隣のメガネのおじさん、誰かなと思っていたら高木(三四郎)社長さんだった(笑)。でも、あいさつしなきゃと思って近付いて。完全にファンでした。

父の遺伝を受け継いでプロレスでは短期

欠場中は落ち込んでいたこともあったという大地だが、今は復帰に向けて表情も明るい 【写真提供:ファーストオンステージ】

――発表は、3.31靖国奉納プロレスで、その時にあいさつしてリングに上がった時に飯伏選手からのコメントで、大地選手は相手が分かったんですよね?

「発表をするぞ。その時に名前も教えるから」とだけ、会社に言われてたんですね。で、「誰ですか?」って聞いても、絶対に教えてくれない、誰に聞いても(笑)。コメントが流れて来て、聞いたことない声なんですよ。最後に「DDT・飯伏幸太」って言われて、逆に頭の中が真っ白になりました。

――そこで、出た言葉が……?

「負けるか!バカヤロー!!」です。頭が真っ白状態で、沖さんに、「橋本大地選手から一言」みたいに振られて、「あーうー」とか言いながら、シャレたこと言いたいなって考えてたら、お客さんの声で、「負けんなよ!」って聞こえたんです。あんなにザワザワしてる中で、その声だけハッキリと。で、瞬間的に「負けるか!バカヤロー!!」でした。

――「負けるか!バカヤロー!!」の言い回しが、お父さんそっくりだったとマスコミ陣のなかでは好評でした。

 後から、それは聞きました。でも、本心なんです。お客さんにも「勝てんのか?」って思われてるからそんな事を言われるんだし、自分自身に自信があれば、すぐに言葉も出てきたんだと思う。でも、そんな事、みんな含めて悔しいし、血が騒ぐ! うちは、父も母も2人とも短気なんです。母親はおとなしい性格だったけど、父親から影響されて(笑)。だから、僕ら子供たちは気が長いと思ってた。そしたら、僕もプロレスに関しては短期でした。驚いたのは、売店にいた妹もイラッと来たらしくて、「兄ちゃんが言わなかったら、後からぶっ飛ばすところだった」って! 遺伝ですね(笑)。リングを降りたあとに、中村(祥之)代表から、「良かったぞ。絶対にDDTに負けんなよ!」って言われて、安心したのと同時にすごいプレッシャーになりました。

――攻略法などはありますか?

 全く考えてません。自分のプロレス感をどこまで戻すかが、一番のポイントです。今までの僕のプロレスに、この重みを足したら、絶対に勝てます。

――注意すべき点は?

 全くない。今回は、飯伏さんに胸を借りる気持ちはサラサラない。リスペクトがあるかどうかと言えば当然あります。でも、僕がここからスパートをかける、大事な試合ですから、ダイナミックに仕留めます。ぼくは、飯伏さんのように華麗な試合はできない。あの人が、ときおり垣間見せる、殺伐とした飯伏幸太を必ず叩き潰します。

――最後にファンの皆様に一言。

 この約4カ月、本当に皆様には支えていただきました。ありがとうございました。僕には、プロレスしかないんです。この四角いリングに僕の人生があります。プロレスの神様が、僕に「もう一度リングに帰ってこい」と、言ってくれた。僕は、プロレスができることに幸せを感じる。それを考えさせ、実感させてくれた欠場でした。「ありがとう!プロレス」この言葉を胸に、全ての皆さまに破壊王子の全力復帰をお見せしたと思います。ぜひ、応援に来てください。お待ちしています。


●●編集後記●●
 インタビュー全般で笑顔の対応となった大地。本人の最後の言葉にもあるように、「プロレスをできていた状況が幸せだったんだと思った」と、繰り返した。インタビューの合間に見せる笑顔は20歳の青年そのものだった。父が偉大すぎるゆえに、本人にかけられたプレッシャーは私たちの考えをはるかに超越するところにあるが、リングを降りた大地は好青年そのものである。しかし、復帰戦での飯伏幸太の話になると、顔色が変わった。その顔はやはりレスラー。レスラーにはケガはつきものではあるが、大地にとっては「プロレス」の良さを再確認できた充実の時であった。10キロの増量に成功した、破壊王子のダイナミックな復帰に期待したい。

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