史上初の兄弟騎手GIワンツー! デムーロ弟が兄撃破=桜花賞

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アユサン(左)騎乗のクリスチャンが兄ミルコを2着に負かしての桜花賞制覇! 【スポーツナビ】

 JRA3歳牝馬クラシック第一冠、第73回GI桜花賞が7日、阪神競馬場1600メートル芝を舞台に争われ、丸山元気の落馬負傷により乗り替わったクリスチャン・デムーロ騎乗の7番人気アユサン(牝3=美浦・手塚厩舎、父ディープインパクト)が優勝。中団追走から最後の直線をいち早く抜け出すと、最後は兄ミルコ・デムーロが駆る2番人気レッドオーヴァル(牝3=栗東・安田隆厩舎)との叩き合いをクビ差制し、桜の女王の座を射止めた。良馬場の勝ちタイムは1分35秒0。

 アユサンは今回の勝利でJRA通算5戦2勝、重賞は初制覇。新設重賞アルテミスS2着、前走GIIIチューリップ賞3着と、重賞ではあと一歩の成績が続いていたが、クラシックの大舞台でついに大きな1勝を手にした。また、1勝馬による桜花賞制覇は1995年ワンダーパヒューム以来18年ぶり5頭目となる。
 一方、騎乗したクリスチャン・デムーロは日本で初のGI勝利。アユサンを管理する手塚貴久調教師は桜花賞初制覇となった。

 なお、2着から2馬身半差の3着には福永祐一騎乗の14番人気プリンセスジャック(牝3=栗東・加用厩舎)が入り、さらにクビ差の4着に武豊騎乗の1番人気クロフネサプライズ(牝3=栗東・田所厩舎)は敗れた。

「本当にエキサイティングな展開だった」

日本での初GI制覇にクリスチャンは「本当にうれしい」と喜び爆発 【スポーツナビ】

 GIレースでは史上初の兄弟ジョッキーによるワンツー決着となった。それをやってのけたのは、イタリア競馬界が誇るデムーロ兄弟。ゴールまでもつれた猛烈な叩き合いを制したのは、弟のクリスチャンだった。
「本当にエキサイティングな展開でした。(兄の)ミルコは僕にとって競馬の先生であり、父のような存在。日本に来る時も本当によく面倒を見てくれるし、最後はミルコと叩き合いになって良かった」

 13歳上の兄を心から尊敬しているクリスチャン。そんなかわいい弟が最終レース後に受けていた共同インタビューの場にも、ミルコがひょっこり顔を出して抱き合って祝福。そして、「日本は世界で一番の競馬をやっている国だから、弟にとっていい経験になると思ったんだ」と、クリスチャンに日本で騎乗することを勧めた理由を明かした。
 クリスチャンもそんな兄の勧めに応え、2011年に日本での初キャリアを地方競馬の船橋でスタートさせた後、昨年JRAで初の短期免許を取得。2カ月間で重賞を2勝マークし、今年も兄ミルコが昨年の2歳王者に導いたロゴタイプで3月のGIIスプリングSを制するなど、日本ファンにも“買えるデムーロ弟”としてすっかり定着した。その日本で初のGIビッグタイトルを制覇。クリスチャンの表情からは、うれしさがあふれ出る笑顔が止まらない。
「今回は代打騎乗でラッキーな勝利でしたが、本当にうれしいの一言しかないです。日本はとてもいい国で、ファンが送ってくれる声援も大きい。日本で自分にとって初めてのGIを勝てて本当にうれしい。I LOVE JAPAN!」

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