【ラグビー/NTTリーグワン】花園Lが誇る二枚看板が見せる余裕。圧倒的不利のデータが並ぼうとも残留は“ミッション・ポッシブル”<花園近鉄ライナーズ>

花園近鉄ライナーズ ウィル・ゲニア選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

D1/D2入替戦の第1戦で花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)は、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)に12対21で痛恨の敗戦を喫した。

過去2シーズンのD1/D2入替戦を振り返ると、初戦を制したチームがいずれも翌年のディビジョン1を戦う権利を得ている。まさに花園Lにとっては“ミッション・インポッシブル”な戦いが待つことになるが、オーストラリア代表として数々の大舞台を経験してきたクウェイド・クーパーとウィル・ゲニアの双肩に、チームの運命は託された。

向井昭吾ヘッドコーチは運命の一戦を前にキッパリと言い切った。

「彼らで作ってきたチームだから、彼らで締めてほしいと思っています」

10点差以上での勝利、あるいはボーナスポイントを獲得しての勝利で花園LのD1残留が決まる一戦。

横浜キヤノンイーグルス戦で負った脳震盪の影響で、5試合ぶりに戦列に戻ってくるウィル・ゲニアはあえて点差を考えずに戦うと話す。

「フォーカスすべきは、自分たちのゲームをやり切ること。そうすれば自ずと結果は付いてきます。点差を意識すると私たちがやろうとするラグビーのディテールが疎かになってしまう」

そんなウィル・ゲニアが頼りにするのは「15歳で初めて出会って、ずっと一緒にやってきました」と信頼を置くクウェイド・クーパーの存在である。

オーストラリア代表だけでなく、スーパーラグビー(現在のスーパーラグビー・パシフィック)のレッズやレベルズでも僚友だったクウェイド・クーパーとのハーフ団は、文字どおり花園Lの“心臓部”である。

一方のクウェイド・クーパーも「ウィル(・ゲニア)もワールドクラスの選手。何百試合も一緒にやってきましたし、二人がそろう強みはいろいろとありますよ」と静かに笑みを浮かべる。

9点のビハインドを背負って迎える第2戦だが、攻め急ぎやチームの慢性的な課題でもあるペナルティを犯すことは禁物。まさにチームは崖っぷちに立たされているが、世界的ハーフ団は異口同音に「楽しみ」とさえ口にした。

「次の試合は自分たちのキャリアにおいて、また新たな1ページになるんでしょうね。その物語をどんどん続けていきたいと思っています」(クウェイド・クーパー)

そう、百戦錬磨の彼らにとって次なる戦いは“ミッション・ポッシブル(実現可能なミッション)”。気負いも焦りもなく、大一番のピッチに立つ。

(下薗昌記)
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著者プロフィール

ジャパンラグビー リーグワンは、「あなたの街から、世界最高をつくろう」をビジョンに掲げ、前身であるジャパンラグビー トップリーグを受け継ぐ形で、2022年1月に開幕した日本国内最高峰のラグビー大会です。ラグビーワールドカップ2023を控え、セカンドシーズンとなるリーグワン全23チームの熱戦をご期待ください。

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