ザック監督「結果には落胆している」=W杯アジア最終予選 ヨルダン戦後会見
ザッケローニ監督は「リスタートが唯一の課題」とカナダ戦に続き、セットプレーから失点したことを悔やんだ 【写真は共同】
試合後、日本のアルベルト・ザッケローニ監督は「リスタートがこのチームの唯一の課題だと思っている」と、22日のカナダ戦に続き、セットプレーから失点したことを悔やんだ。それでも、「ゴール前での精度以外に関しては満足している」と、多くのチャンスを作り出した試合内容には及第点を与えていた。
もう少し運が味方してくれても良かった
率直に、ヨルダンが2ゴールを奪って、日本が1ゴールしか取れなかった、という言葉しか浮かんでこない。とはいえ、わたしは結果を元に試合を分析するのではなく、いかにピッチの中でこうした現象が起こったのかを分析するタイプなので、今回も結果にとらわれすぎず、具体的な内容を見ながら敗因について分析していきたい。
当然、今日のような内容でアウエーのわれわれが10回チャンスを作り、相手が3回チャンスを作るという戦いであれば、われわれが勝たなければならない試合だった。今日のように、アウエーチームが、8回、9回、10回のチャスをつくるのはまれだと思う。チャンスに至るまでも簡単にはできないことだが、カナダ戦のあとにも言ったように、最後のところでの決定力を高めなければならない。結局、今日の試合もカナダ戦も、CKからの失点ということで、相手にCKすらも与えてはならないのかという思いだ。
リスタート(での失点)がこのチームの唯一の課題だと思っている。今日の試合内容については、チームコンセプトであったり、ポイントといったものは選手たちはしっかり出してくれたと思う。また、中央からもサイドのスペースからも、積極的にチャンスを作ることができたのではないかと思う。今日のようなピッチコンディションが悪い中でも、これだけのチャンスを作ることができた。対戦相手のヨルダンが、メンタル、走力、団結力といったもので、われわれに向かってくるのは想定内だった。
特にヨルダンについて言及するつもりはないが、どちらかというと自分たちのチャンスを決めきれなかったと思う。サッカーのゲームというのは、いくつかのエピソードで成り立っている。たとえば、われわれはPKを失敗してしまった。ヨルダンはチャンスをすべて決めてきた。当然、W杯への切符を勝ち取りたかったので、この結果は非常に残念だ。結果は後回しになってしまったが、気持ちとしては今日、何としても(出場権を)勝ち取りたかった。チーム全体もそうだが、この試合の結果には非常に落胆しているし、落ち込んでいる状態だ。試合内容を考えると、もう少しわれわれに運が味方してくれても良かったと思う。
ゴール前での精度以外は満足している
ゴール前での精度以外に関しては満足している。ボールをスピードをもって動かし、それを中央から、サイドからバリエーションを与えながら攻めていくことはよくできた。実際、前半の早い段階で相手チームが選手交代したのは、それが理由だったと思う。
チームに出した指示は、幅をもってビルドアップを開始すること、ゴール前に入ったら積極的にゴールに向かっていく選手にボールを供給しようという指示を出した。そういう意味で、もう少しバイタルエリアに入ったあたりで、裏へのボールの供給がもう少しあっていいのかなと思った。それをサイドに散らすシーンが散見された。
2つ目の質問だが、わたし自身、あまり挑発されるのが好きではないタイプなので、そういうことになった。
――ヨルダン代表について、6月に対戦して勝ったときと比較してどうだったか?(ヨルダンメディア)
われわれが主導権を握ったのは変わりないし、ヨルダンがハートと団結力をもって戦ってくるのも変わりはなかった。では6月の試合と今日と何が違ったかといえば、埼玉ではゴール前でのチャンスを決めきったが、今日はそれがなかった。それと6月に比べると、ヨルダンのディフェンスラインがより集中していたのだと思う。
――この試合で唯一チャンスが少なかったのが後半最初の10分だったが、何かまずいことがあったのか、それとも相手が守備を固めてきたのか?(大住良之/フリーランス)
おっしゃるとおり、10分間の休憩をそのタイミングで取ったのだと思う。皆さんも90分間試合を見たと思うが、日本は非常に運動量が多く、全員でサッカーをしていた。サイドバックの選手にしても、1人が上がれば1人が戻るということを連続して繰り返していた。90分間それはできないということで、10分間休憩を取ったのだと思う。
<了>
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