初優勝のドミニカ監督「われわれは本当に楽しんだ」

構成:スポーツナビ

プエルトリコを決勝で下し初優勝したドミニカ共和国。試合後はお決まりのポーズを決め、喜んだ 【Getty Images】

 第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝が19日(日本時間20日)行われ、ドミニカ共和国が3対0でプエルトリコを下し、初優勝を決めた。ドミニカ共和国は今大会1次ラウンドから無傷の8戦全勝で、大会初の完全優勝を成し遂げた。

 以下はドミニカ共和国のトニー・ペーニャ監督、ホセ・レイエス、ロビンソン・カノー、プエルトリコのエドウィン・ロドリゲス監督の試合後コメント。(取材:永塚和志)

ドミニカ監督「世界中に自分たちはやれるんだと示した」

――ホセ・レイエスがものすごく興奮していたが、彼の母国への貢献度を語ってほしい。

 何度言っても言い足りないくらいですが、このチームはものすごく情熱的なんです。毎試合エモーションを見せてきました。今日ホセが第1打席で二塁打を打った時、彼は拳を高く掲げました。それは他の選手たちに対する『さあ、いこうぜ』の合図だったのです。自分を本塁にかえしてくれ、と。野球とはそういうものです。

 以前も言ったように、このチームにはユニークな男達がいます。その瞬間、その瞬間を楽しんできました。というのも、この仲間でまた集まれるかは分からない訳ですから……恐らくもうないでしょうね。しかし、われわれは本当に楽しみました。神様が力の源でした。彼への信仰があって、われわれはやり遂げたのです。

――理想的な選手選考ができなかったが、大会前からのゴールを達成してどういう気持ちか? 大統領と電話で話をしたようだが、どんな言葉を交わしたのか?

 私は何もしてません。唯一したことといえば、選手たちに方向性を与えてあげることくらいでした。彼らは指示を実行してくれました。私の役割は交差点の交通整理をする警官のようなものでした。選手たちはグラウンドに出て、気持ちの入ったプレーで世界中に自分たちはやれるんだということを示してくれました。ドミニカ共和国全体が誇りに思っているはずです。

 大統領は、選挙の時に誰も成し遂げたことのないことをしてみせる、という言葉を掲げていましたが、われわれもこれまで成し遂げられなかったことを成し遂げた、全勝で優勝しましたと申し上げました。

――人生でこの優勝というのはどの位置に来るものか?

 誰にでも喜びの瞬間というのはあります。例えば私なら最初にプレーした時、初めてオールスターゲームに出場した時、あるいはプレーオフやワールドシリーズに出た時などがそうですが、皆それぞれに喜びの瞬間というのは違うものです。今日のこの喜びは一生忘れないでしょう。ずっと自分たちの心の中に残り続けるはずです。なぜなら、これはこれまでの経験ではなかったことだからです。メジャーリーグでプレーして得る喜びとはまた違うものなんです。自分の国を代表して戦うということは特別ですから。

MVPのカノー「チームメートなくして取れなかった」

――これから自軍のスプリングトレーニングに戻らないといけない。そのことについては?

(笑いながら)これだけは言っておきますよ。まず今夜、われわれは祝います。そして明日も祝います。木曜日、われわれはスプリングトレーニングに戻りますよ。

――ドミニカには最高の才能がそろっていたのになぜこれまでタイトルを取れなかったのか?

 完璧な人生はないですからね。それはわかりますよね? 神のみぞ、何が起こるかが分かる訳です。ほとんどの選手が、あるいはスーパースターでも分かりません。自分たちとしては常に全力を尽くすだけです。そして今日は神が味方してくれました。すばらしい気分ですよ。トニー(監督)は素晴らしい仕事をしてくれましたし、われわれもハッピーです。

――この才能あふれるチームの中でMVPを受賞した気分というのはどういうものか?

 これは決して自分1人では成し遂げられなかったものです。だから皆には、チームメート、監督、ドミニカチームには感謝をしたいです。チームメートなくしてMVPなど取れるはずもありませんでした。

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