阿部「浦和のサッカーだ」と言えるように=“ミスターレッズ”福田と語る今季の浦和

構成:ぴあ

インタビューに答える阿部。今季にかける思いを語った 【撮影:鈴木俊介】

 昨季、浦和レッズはミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘(しょうへい)し、新たなスタイルの構築を始めた。リーグ戦で3位となり、AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を手に臨む今季は、オフに鹿島アントラーズから興梠慎三、サンフレッチェ広島から森脇良太らを獲得するなど大型補強を敢行。タイトル獲得を目指してチームは新たなスタートを切っている。主にFWで浦和の象徴的な存在として活躍した“ミスターレッズ”こと福田正博氏が、ボランチとしてチームを引っ張る阿部勇樹に話を聞いた。

阿部「フィニッシュで終わるプレーを増やさないと」

福田 去年1年プレーしてみて、チーム、そして自分のプレーへの評価は?

阿部 そうですね。もうちょっとやらなければならないとは思ってます。

福田 自分のプレーに不満があるということ?

阿部 そうですね。流れの中での得点も多くなかったですし。

福田 確かに得点は少なかったよね。ただ、ポジションの問題もあって最終ラインに入ったり、後ろのほうに残ることも多かった。

阿部 でも、どこかのタイミングで出て行ってフィニッシュで終わるようなプレーを増やしていかなければいけないと思います。毎回じゃないにしても“今がチャンス”という時に出て行って、プラスの仕事ができたら良いと思います。もちろん、前に行くことでバランスが崩れるのならチームのためにはならないし、そこは考えながらやっていきたいなと思っています。

福田 もう少し行ってもいいとは思うよ。阿部の良さはそこにあると思うし。去年はかなりバランスを考えて慎重にやっていた印象だった。あんまりリスクを冒さないでいると、オシムさんに怒られるよ(笑)。

阿部 そうかもしれないですね(笑)。でもチームが勝つことが一番大事だと思っているので、ときどき出て行こうと思います。

福田「阿部が点を取っていれば上に行けた」

福田は阿部のゴールを熱望。積極的に前に行くようにアドバイスした。 【撮影:鈴木俊介】

福田 去年は何点取ったの?

阿部 (第6節の)ヴィッセル神戸戦、(第12節の)清水エスパルス戦、(第19節の)ジュビロ磐田戦、(第23節の)清水戦で4点ですね。

福田 4点か、もうちょっと阿部のゴールは見たいね(笑)。

阿部 もう少し増やさなければいけないですね。

福田 去年はチーム全体としても、あまり得点を取れていないよね。阿部があと3、4点取っていれば、順位的にもう少し上にいけたと思うよ。でも年齢的なことも含めて、どうしてもバランスを考えてしまうから難しいか。

阿部 どうですかね。

福田 ときにはいいんじゃないかな、自分をもっと出して行っちゃっても。

阿部 流れの中で自分が行けると思えば行きますし、周りの選手がカバーしてくれると思うので。

福田 前に出て行って監督に止められたりすることはないんだよね?

阿部 それはないです。

福田 自分が出て行くとカバーしてくれないんじゃないかって不安なの(笑)?

阿部 いやいや、そんなことはないですよ(笑)。

福田 大丈夫だよ、(鈴木)啓太がカバーしてくれるから。どんどん行きなよ。

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