メッシがもたらすアルゼンチン代表の平静=再び口にした母国リーグ挑戦の可能性
注目を集めた因縁の対決
ピッチ上での再会を果たした元チームメートのメッシ(右)とイブラヒモビッチ(左) 【写真:アフロ】
この試合はスウェーデンで行われ、地元のスターであるズラタン・イブラヒモビッチと、メッシによる因縁の元チームメート対決として戦前から大きな注目を集めていた。イブラヒモビッチは大きな成功をつかめなかったバルセロナを退団した後、古巣に対していくつかの批判的な発言をしてきた。またその後、出版した自伝の中に、当時の監督であるジョセップ・グアルディオラ氏やメッシが快く思わない内容があったことも話題となっていた。
万全の防寒機能を備えた5万人収容のフレンズ・アレナにて、2人は表面的には親しみにあふれた挨拶を交わした。だが両者の現在の関係についてさまざまな解釈を可能にした試合前の1シーンとは裏腹に、キックオフ後のピッチ上では議論の余地なき試合が繰り広げられることになった。
世界一の攻撃陣との快適なプレー
2トップの後方から機を見てゴール前に上がっていくメッシの役割はよく機能していた。オフサイドラインを破ってDFライン裏へ抜けだし、柔らかなタッチのループシュートでGKイサクソンの頭上を越したシーンは、試合後繰り返しテレビで放送されていた。イサクソンがオーバーヘッドでクリアした瞬間にはすでにボールがゴールラインを割っていたように見えたのだが、レフェリーはゴールを認めなかったからだ。
この日のメッシはとても快適にプレーしていた。彼とイグアイン、アグエロ、ディマリアを並べた攻撃陣には恐らく世界一の破壊力がある。この日、スウェーデンに対して示したように、彼らにはわずかな時間のうちにゴールを生みだす力があるからだ。
難航するサイドバックの人選
空中戦に強いセンターバックのエセキエル・ガライとフェデリコ・フェルナンデスが代表で継続的にプレーし、コンビネーションを熟成させていることはアレハンドロ・サベーラ監督にとって良いニュースである。しかし、サイドバックの人選はいまだに難航している。
アルゼンチン代表におけるパブロ・サバレタはマンチェスター・シティの彼とは全く別の選手であり、今回はケガで招集が見送られたマルコス・ロホも、その代役を務めたウーゴ・カンパニャーロも、周囲を満足させるプレーは見せられていない。それはGKのセルヒオ・ロメロも同様で、空中戦の弱さという決定的な欠点を持つ彼のパフォーマンスは下降し続けている。