園田監督が釈明「強くしたい思い」暴力に=柔道女子暴力問題・記者会見全文

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柔道女子暴力問題で会見し、頭を下げる園田監督 【スポーツナビ】

 柔道女子日本代表の園田隆二監督が1月31日、五輪代表選手を含む15人から暴力やパワーハラスメント行為により告発を受けた問題で会見に臨み、東京都の講道館で辞意を表明した。

 黒のスーツにグレーのネクタイ姿で会見場に現れた園田監督は「具体的な内容については、再調査中のため詳細なコメントは控えさせていただく」と話すとともに、「ご迷惑をおかけしていることを大変深く反省しております。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

 以下、園田監督の会見全文。

 この度は、私の行動、言動によりご迷惑をおかけしていることを大変深く反省しております。誠に申し訳ありませんでした。
 なお、今回の件で私自身、これ以上強化に携わっていくのは難しいと思っています。それを踏まえ、連盟の方には進退伺を出させていただきたいと思っております。

 今回、全日本柔道連盟が説明していることについて、事実経緯はほぼ間違いありません。選手への暴力や暴言について私の意図と違うところはありますが、おおむね説明の通りです。それについて、私自身強く責任を感じております。日頃より、選手に対して信頼関係を持ってやっていくことを考えておりましたが、その部分について今回15名の選手が告発したという事実を受けまして、私自身の一方的な信頼関係だったと深く反省しております。

 来週から行われる欧州遠征ですが、選手たちには世界選手権の代表選考につながる大事な試合です。そういう選手の状態を考えると、私の立場で遠征に帯同し選手を見るということは、選手に不安を与えます。そのため、今回の欧州遠征に関しては帯同しないことを考えています。

 また、具体的な内容については再調査中ですので、詳細に関する細かなコメントは差し控えさせていただきます。

信頼関係を築こうとしたが…選手との解釈にずれ

――2010年8月〜12年2月の間に5件の暴行があったというのは事実か?

 はい、事実です。

――それは暴力との認識があった上での行為か?

 私自身は暴力との観点で選手に手を上げた認識はありません。やはり選手に対し、もうひと踏ん張りしてほしいところや頑張ってほしいという気持ちがありました。そこで、ひとつ精神的な部分を乗り越えてほしいという思いから手を上げてしまったことがありました。

――合宿の度に選手とコミュニケーションを取っていたようだが

 私自身、選手とのコミュニケーションについては練習で厳しく接している分、どこかで抜いてあげる部分が必要と思っていました。合宿の前に前合宿という形で食事をすることで、選手の要望を聞いたり、選手から一般的な話題も出ていました。そういった中で選手の方から一般的な話題を話してくれていること、ベーシックな部分を話してくれていると思っていたのが、私が一方的にそういう解釈をしてしまっていたということが今回の要因の一つです。

――進退伺を出す経緯は?

 このような状況の中でも、やはり一番は選手がどう強くなっていくか、どう成長していくかが一番重要です。そういうことを考えると、私自身が指導を続けていくということは、選手に不安を与えるし、負担になっていくと思います。

――進退伺の決意を決めたのはいつか?

 やはりこの問題がクローズアップされる中で、私自身これ以上続けることはできないのではないかと考えるようになりました。

――指導者として今後、どのように選手に接していくつもりか?

 今回、選手をたたいたということに対して、この数カ月考えてきました。その中で、たたくことで選手を自立させていくことができるのではと考えました。ただ、現在の調査の中で聞いている部分を含めると、私の意図と全然違う話も聞きます。これは、私が選手と信頼関係を築けていなかったということです。そういったことから、もう一度柔道を見つめ直し、何のために柔道を始め、教えてきたのか、原点に立ち戻って考え直したいと思います。

――選手にはどのような言葉をかけるか?

 本当に申し訳ない。

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