――現在、２０年の五輪招致の支持率が７０％を超えているが、この問題で影響が出ると思うか？

　柔道界を含め、スポーツ界全体でこのようなことが行われていると思われること、スポーツとはこういうものだと思われることについて申し訳なく思っています。そして、五輪招致についても影響があると思います。

――全日本、日の丸を背負う上での指導で問題だったのはコミュニケーションのみか？

　今回のように選手側から意見が出てくるということは、それ以外にも（問題が）あったということです。（体罰やパワハラという文字を見たときの気持ちは？）納得です。昨年からの指導の中でもそうですし、諸先生方の意見を聞いた上でもパワハラだと思っています。

――選手への暴言の中で「死ね」という言葉があるが、これは事実か？

　言ったことはありますが、その前後があります。日の丸を背負う意味や、大きな大会で戦うことの意義をかみしめてほしい。そして、その中で試合を楽しいんで伸び伸びとしてほしいという思いから、試合の終盤で逃げてしまった選手に対してそのような表現を使ったことがあります。

――そのときの選手の反応は？

　試合にも負けていますし、私がそういうことを言ったことでうつむいていました。しかし、その後どのような意味で言ったのかというのは説明しましたし、試合展開についてもこうしてほしかったんだということは伝えました。

――スポーツ教育にも波紋を起こすと思うが

　柔道で言いますと、小学生や町道場で教えている先生は自分の実益で動いている方はおらず、自分の趣味の範囲や自身の資材を投げ打って指導されています。そのような先生方に対して、私のような日本のトップ選手を預かる監督が暴力問題を起こしたということで、大変申し訳なく思っています。

――告発をされている１５名を含め強化指定選手への対応は？

　本当の選手の気持ち、どこを改善してほしいのかを聞き入れて、それを今後の強化に取り入れていかないといけないと思います。

＜了＞