柏原不在も東洋大がV候補 駒大は先行型に変更=箱根駅伝元東洋大監督・川嶋氏の箱根駅伝区間エントリー分析
2強には一歩劣る早大
勢いに乗る青山学院大。エース出岐(右)の状態は? 左は久保田 【スポーツナビ】
青山学院大、出岐の状態に不安
そのほか、予選会で1位通過した日体大は、1区に勝亦祐太(1年)、2区に本田匠(3年)、5区に服部翔大(3年)と、順当なオーダーです。勝亦のように、箱根の前哨戦である全日本でも1区に起用されて出遅れることなく走れた選手は、今大会でも1区に配置されている傾向がありますね。
また、前回3位の明大は、前回5区で区間2位の大江啓貴(4年)を今回も5区にエントリーしています。こうした特殊区間で起用できる選手がいる場合、チームにとって強みになります。
今までは東洋大に柏原がいたので、「柏原をどう攻略するか?」という部分に各大学、照準を合わせてきたと思います。結局、5区で大差をつけられてしまうので正直お手上げの部分がありましたが、柏原が卒業したため、今大会は各大学「チャンスがある」という思いがある。優勝争いがもつれる可能性も予想されます。
とはいえ東洋大としては、柏原がいない不安をカバーできるような選手たちが数多くいるため、今回のオーダーを見るとむしろ各大学に選手層が厚いことを強くアピールができたかもしれませんね。
<了>
1966年、東京都出身。日体大時代、箱根駅伝では山下りの6区を担当し区間賞を取るなどチームに貢献。卒業後は旭化成陸上部に入部し、各大会で活躍した。2000年の琵琶湖毎日マラソンで自己ベストとなる2時間9分04秒をマーク(日本人トップの2位)、シドニー五輪マラソン代表に選出された。その翌年に現役を引退、02年からは東洋大陸上競技部の監督に就任するが、08年12月、陸上部員の不祥事により引責辞任する。現在は旭化成陸上部コーチを務める傍ら、「リスタートランニングクラブ」のアドバイザーや各種講演会、マラソンのゲストランナーとして活躍している。09年8月には自叙伝『監督―挫折と栄光の箱根駅伝』(バジリコ刊)を出版。