余裕のレインメーカー、オカダ「全てを圧倒する」=独占インタビュー

長谷川亮

普通のドロップキックをみなさんがワーワー言ってる感じ

見よ、このドロップキックの打点! しかしレインメーカーにとっては“普通”のことでしかない 【t.SAKUMA】

――多くの出来事があった慌ただしい1年が終わろうとしていますが、振り返ってどんな1年だったでしょうか。

オカダ「僕からしたら、そんなに慌ただしい感じではなかったです。自分のペースで普通にやっているだけでした」

――では、周りが騒いでいただけ?

オカダ「はい。もっと慌ただしくならないと」

――でもオカダ選手の活躍で、確実にプロレスの注目度や認知度が上がったと思うのですが、そのことをご自身では感じてないですか?

オカダ「いや、まだ感じないです。感じるぐらいまで僕が持っていきたいし、持っていきます」

――最近プロレスから離れていた人でも、オカダさんのドロップキックにビックリしてまたプロレスを見るようになったなんて話も聞いたりするのですが、そういう話を耳にしていかがでしょう。

オカダ「まあ、僕を見たらそれが当然じゃないですか。もし僕を見て素通りするようだったら見る目がないです。「タイガーマスク並みの人がまた出てきた」って言ってもらえれば、昔の人にも分かりやすいかと思います」

――そんなドロップキックについてなのですが、あの打点の高さや跳躍力というのは何か秘訣だったりがあるのでしょうか。

オカダ「あれは背が高くて普通に跳んでるから高く見えるだけだと思います。僕より背が小さい人で僕より跳んでる人は多いと思うし、別に僕が高いって訳でもないと思います。なので普通のドロップキックをみなさんがワーワー言ってる感じですかね。普通のことをやってるだけです。それをワーワー言ってもらってるんでラッキーだなと(笑)」

棚橋さん、もしかして今年一番(調子が)悪いんじゃないか

とにかく余裕のオカダ、その視線はすでに新時代をとらえている 【t.SAKUMA】

――見る側とやる側の認識にレベルの差があるのですね(笑)。では、いよいよ間近に迫ってきたプロレス界最大のイベント、1.4東京ドーム大会についてはいかがでしょう。

オカダ「今の気持ちとしては余裕です。前哨戦で4、5試合やって1回も勝ってないんですけど、余裕が消えないです。『棚橋さん、もしかして今年一番(調子が)悪いんじゃないか』って感じちゃうぐらいですね」

――棚橋さんに先にお話を聞いたのですが、オカダさんのことを巧く言葉で言い表せないと言っていました。オカダさんから見た棚橋さんというのはどんな存在なのですか?

オカダ「そうですね……“新日本の暗黒時代を支えてくれた先輩”じゃないですか。1番ダメな時を支えてくれたっていうのは尊敬しています。それで僕みたいのが出てきたので、後はもう任せてくれれば。ほんと“辛い時代を支えてくれた先輩”ですね」

――では、新たな時代への受け渡しが1・4東京ドームで行われると。

オカダ「そうですね、はっきりさせないとダメだと思います」

――プロレス界最大のイベント、そのメーンイベントで試合をする訳ですが、それについてはどう思われますか?

オカダ「そこで試合ができるということを他の団体、世界中のレスラーが羨むぐらいのところにしないといけないと思うんです。でも今の東京ドームだとまだそこまで価値がないと思うので、東京ドームのイベントとしての価値を上げていきたいですね」

――先ほどおっしゃられた「まだまだ」というのは、オカダさん自身が目指す高いレベルからすると、「まだまだ」であるということなのですね。

オカダ「そうです。まだ“普通”レベルにも達していないです」

「これはもうオカダで行かないとダメだ」ってところまでやらないと

「全てを圧倒させて頂きます」 【t.SAKUMA】

――11月で25歳になられましたが、昔自分が思い描いていた25歳と比べてどうでしょう?

オカダ「いや、遅いっすね。25歳でこうなる予定ではなくて、もっと早くなる予定でした。これからは今までの後れ、僕の後れを僕が取り戻します」

――タイガーマスク並みであってもオカダさんにとっては遅いのだと。

オカダ「そうですね。やっぱりスポーツ選手って早く出てこないといけないじゃないですか。だから東京ドームっていう日本で一番のイベント、たくさんのお客さんが見る中で、そこは誰にでも知ってもらえる試合結果だと思うんです。プロレスを好きな人から、ちょっと興味がある人までも知ってもらえるところだと思うので、そこで僕の時代を始まりにするっていうことを、結果だけでなく内容から全て。入場からでもいいと思うんです。僕が出た瞬間から、「これはもうオカダで行かないとダメだ」ってところまでやらないとダメなんです。だから、全てを圧倒させて頂きます」

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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