谷繁元信が気に掛ける捕手の逸材、DeNA・高城俊人

谷繁以来23年ぶりの高卒ルーキーでスタメンマスク

横浜DeNAの未来の正捕手候補として、期待される高城俊人
横浜DeNAの未来の正捕手候補として、期待される高城俊人【(C)YDB】

 いろいろあった2012年のシーズンが終わった。今年も数字を見ればボロボロに負けたわけだが、来年以降の上昇を感じさせる要素が何もなかったわけじゃない。特に長い間定着しなかった正捕手争いに19歳の新人が割って入ってきたことは、今シーズン最大の収穫と言ってもいいだろう。高卒ルーキーとしては谷繁元信(現・中日)以来、23年ぶりのスタメンマスクを被った未来の正捕手候補――。そう。それでも、ベイスターズには高城俊人がいる。


「シーズン途中から1軍の試合に出させてもらいましたけど、ホントにまだまだです。バッティングは打てない、盗塁も刺せない、何より勝てなかった。僕の理想は“勝てるキャッチャー”です。高校時代はわからなかったけど、プロに入って『キャッチャーで勝つ』ってことがあるんだと実感しました。特にドラゴンズの谷繁さんは、言葉ひとつでピッチャーの動きがまるで変わるんです。今年のCSも谷繁さんばっかり見ていましたけど、やっぱりすごい。僕もこういうキャッチャーになりたい、ピッチャーに信頼され、引っ張っていける、“勝てるキャッチャー”になりたいって強く思っています」

清水や三浦が育てる、中畑監督ベタぼれの逸材

 本人は反省しきりだが、1年目としては十分すぎる可能性を感じさせてくれた。入団当初から球界ナンバーワンと目される鉄砲肩は、中畑清監督もベタぼれの逸材。それに加え、19歳とは思えないグラウンドでの堂々とした立ち居振る舞い。ピンチには自然に間を取れる視野の広さ、経験がものをいう配球面においても時に鋭い感性を発揮と、試合を重ねるごとに、チーム内外から評価は高まった。


「正直なところ、1年目から1軍戦に出られるとは思っていませんでした。肩以外は何も自信がなかったですし、リードなんて高校時代は三好(匠、現・東北楽天)がすごすぎたから考える必要がなかったんです。今でこそピッチャーと会話しながら、“投げたい球”を軸に組み立てをしていますけど、入団当初なんて先輩に話し掛けるどころか、ブルペンでボールを受けても何て言っていいかわからない状態。試合中もベンチの隅っこに座っているしかなかったんです。でも、ファームが開幕してすぐの試合で直さん(清水直行)と組んだ時、『ロッテ時代、サト(里崎智也)はイニングが終わる度にレガースをつけたまま『今のはどうでしたか?』って聞きにきた。ピッチャーから信頼されるには、そういうコミュニケーションも大事だぞ。“配球”はまだできなくても、ジェスチャーや心配りのコミュニケーションで“リード”はできるんだ。お前は一生懸命リードだけはできるようにしろ』とアドバイスをしてくれたんです。そこからですね。何があってもピッチャーの話は聞くようにして、メモを取るようにしています。三浦(大輔)さんからもいろんな話を聞かせてもらいましたけど、そういう人たちの話を聞いたり、メモを読み返すたび、『ああ〜深いなぁ……』と幸せな気分に浸っています(笑)」

村瀬秀信

1975年8月29日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身。プロ野球とエンターテイメントをテーマにさまざまな雑誌へ寄稿。幼少の頃からの大洋・横浜ファン。著書に「プロ野球最期の言葉(イースト・プレス)」などがある。来春には「さよならベイスターズ」(仮題・双葉社)を上梓する予定。

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