ベッテル4連勝も、レッドブルチームに生じた誤算=「散々なレースだった」可夢偉は14位に終わる
4連勝を飾ったベッテル。“他を寄せ付けない強さ”が随所に目立った 【Getty Images】
なお、小林可夢偉(ザウバー)は14位に終わった。
“他を寄せ付けない強さ”が復活したベッテル
だが、チャンピオン争いという点では一つだけ“誤算”が生じた。最大のライバルであるフェルナンド・アロンソの2位だ。前回の韓国GPでランキング首位に立ったとはいえ、ここでアロンソとの差を1ポイントでも多く広げ、3度目のチャンピオン獲得に向けて貯金を作りたかったに違いない。僚友マーク・ウェバーが2位に入れば、アロンソとのポイント差をさらに大きくできるはずだった。
しかし、アロンソはベッテルの独走を許さなかった。今回は予選でマクラーレン2台にも先行を許し5番手からのスタートだったが、序盤から積極的に前を狙う走りで4周目に3位に浮上した。その後も辛抱強くレッドブル2台を追いかけ続けると、レース後半になってKERSのトラブルでペースが上がらないウェバーに迫り、48周目の裏ストレートでパス。ついにレッドブル勢の牙城を崩すことに成功した。
トップを走るベッテルに追いつくことはできなかったが、終盤になってもファステストラップを連発して2位フィニッシュ。今持っている力をすべて出し尽くしたベストな結果と言えるだろう。
これによりドライバーランキングはベッテルが240ポイントで1位、アロンソが227ポイントで2位となった。当初は16ポイント差がつくと思われていたところを13ポイントに抑えたアロンソ。逆にベッテルは4連勝を飾ったものの、思い描いていたほどの貯金を作ることができなかった。
数字だけで見ればベッテル有利に変わりはないが、この両者の心境の差が次回のアブダビGP以降、どう影響してくるだろうか。