ダブルメイン王者揃い踏み、城戸完勝も卜部は不完全燃焼=Krush

中村拓己

城戸が自身初の6連勝、格闘家モノマネ新ネタも

城戸がISKA王者を大差判定で下し、自身初の6連勝となった 【t.SAKUMA】

 8日、東京・後楽園ホールで「Krush.23」が開催された。

 12:00本戦開始の“真昼の決戦”となった今大会ではWILDRUSHリーグの最終戦、60kgファイターたちによるスーパーファイト3試合がマッチメークされ、ダブルメインイベントとして−60kg王者・卜部弘嵩、−70kg王者・城戸康裕が海外の強豪を迎え撃った。

 今年3月に初代王者・健太にKO勝利して王者となった城戸。戴冠後、K−1、ビッグバンで勝ちを積み重ね、5連勝と絶好調の中での約7カ月ぶりのKrush参戦となった。対戦相手はISKA世界スーパーウェルター級王者ラドウィック・ミレーだったが、城戸は1Rからミレーを翻弄。構えをオーソドックスとサウスポーにスイッチし、必殺のバックブローでダウンを奪う。

 2R以降も城戸はしっかりと自分の距離を保ちながらローキックでミレーを足から崩し、3R開始直後に突っ込んできたミレーに右ストレートのカウンターを合わせてダウンを追加する。その後も鋭い奥足ロー、ハイキック、ヒザ蹴りでミレーを迎え撃ち、文句なしの判定3−0で勝利。自身初となる6連勝を飾った城戸は、恒例の(?)格闘家モノマネで「2006年K−1MAXでの山本優弥vs.TATSUJI」という新ネタを見せ、後楽園ホールに笑いを巻き起こした。

卜部、TKO勝利も納得いかず「今日は反省点だけ」

卜部(右)はTKO勝利を挙げたものの「反省だけ」と表情はさえず 【t.SAKUMA】

 一方、約1年ぶりの国際戦で大会の大トリを務めた卜部だったが、WPMF欧州ライト級王者グサヴィエ・バスターに苦戦を強いられた。

 1R、負傷欠場で対戦相手が二転三転し、一週間前に卜部と対戦することとなったバスターだがテンポのいい攻撃で、卜部の前足に左右のローを集めて出足を止める。卜部も右ローを蹴り返して反撃に転じるが、2R以降もバスターの手数は止まらない。3Rに卜部がバスターのボディを効かせて動きを止める場面があったものの、本戦判定は1−0(卜部)のドローで、試合は延長戦へ。

 延長Rもタフなバスターは卜部と真っ向から打ち合って一歩も引かず、一進一退の攻防続く。しかし残り1分過ぎたところで、卜部の攻撃でバスターが左耳をカットして流血。ドクターチェックが入ると、耳の軟骨が見えている状態になっていたため、ドクターが試合を止めた(試合後、左耳の皮膚が裂け、中の軟骨まで砕けていたことが発覚)。

 TKO勝利という結果こそ残したものの、不完全燃焼の試合内容に卜部は、インタビュースペースでも「今日は反省点だけ」と表情を曇らせた。

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著者プロフィール

福岡県久留米市出身。プロレスファンから格闘技ファンを経て2003年に格闘技WEBマガジンの編集部入りし、2012年からフリーライターに。スポーツナビではその年の青木真也vs.エディ・アルバレスから執筆。格闘技を中心に活動し、専門誌の執筆、技術本の制作、テレビ解説も務める。

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